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車がスタックして立ち往生したときの脱出方法とは?雪道・砂地・脱輪などケース別の対処法と対策を解説
2021年12月更新
車を運転している際、雪道や砂地にタイヤがはまってしまう、脱輪などで前にも後ろにも進めずに立ち往生してしまう、いわゆる「スタック」が発生することがあります。
スタック状態になると、アクセルをいくら踏んでも車を動かせません。状況によっては自力で脱出できず、ロードサービスを呼んで車を牽引しなければならない場合もあります。
本記事では、スタックでの立ち往生をどのように解決すれば良いか、脱出方法と対策を紹介します。
スタックとは
スタックとは、雪道や砂地、ぬかるみなどに車のタイヤが埋まってしまい、動けなくなる現象のことです。スタックの原因には、滑りやすい軟弱な路面によりタイヤのグリップ力が低下することや、道路の側溝などにタイヤがはまって空転(空回り)することなどが挙げられます。
降雪地域のレジャー利用などで悪路の走行に慣れていない人だと、スタックしたことに焦ってしまい、アクセルを強く踏み込んで解決しようとする場合があります。しかし、やみくもにアクセルを踏み込むと、かえって状況を悪化させる可能性もあるため注意が必要です。
スタックが発生した場合は、まず落ち着いて状況の把握に努めてください。周囲の安全を確認したうえで車外に出て、タイヤや路面を確認し、スタックが発生する理由について現状把握を行いましょう。
スタックで立ち往生したときのケース別の脱出方法
ここでは、スタックが発生した状況に応じた脱出方法を紹介します。ただし、スタックの状況が深刻で自分の力では対処が困難な場合もあります。脱出が困難と感じたら、迷わずJAF(#8139、もしくは0570-00-8139)に電話をして救援を求めてください。
三井ダイレクト損保にご加入中の方は、条件付きで車両トラブル緊急対応サービス(ロードサービス)の利用が可能です。詳しい条件は以下のページをご確認ください。
また、車が大雪で立ち往生して身動きが取れなくなった際は、命に関わる一酸化炭素中毒の危険性もあります。以下のページもあわせてご確認ください。
雪でスリップしてスタックした場合
新雪に近い雪(凍結していない雪)でスタックが発生した場合、ゆっくりと車の前進・後退を繰り返し、タイヤ周辺の雪を押し固めることで脱出できる可能性があります。
ただし、アクセルを勢いよく踏み込みすぎると、タイヤが空転してしまうので注意が必要です。空転の結果、摩擦で周囲の雪が溶け、状況がより悪化してしまう可能性もあります。ゆっくりとアクセルを踏み込んでいくのがポイントです。
車がまったく動かない場合は、駆動輪の下にタオルや車のフロアマットを敷いて、空転させずに動かす方法を試しましょう。また、緊急用のスノーヘルパーや脱出用ラダー(タイヤの下に敷いて脱出を補助する板)を持っている場合は、こちらも活用できます。
同乗者や周りに人がいる場合は、協力を依頼することも一つの手段です。車を押して動き出しのきっかけを作ってもらうことや、乗車して車を重くしてもらい、空転を防ぐことで脱出できる場合もあります。
なお、スタックから脱出する際、アクセルの踏み具合によっては車が急発進する場合もあります。人に車を押してもらう場合は、アクセルの踏み方や車の動きに十分注意してください。
降雪で埋もれてスタックした場合
車が新雪に埋もれて動かなくなってしまった場合、まずは周辺の雪を除雪することから始めましょう。周辺を除雪しても、道が埋もれて走行できないほど雪が積もっている場合は、無理に発進しようとせずに救援を求めてください。
車周辺を除雪すれば走行できそうな場合は、除雪後に自分の足でタイヤ周辺の雪を踏み固め、走行しやすい状態にしておきます。タイヤに十分なグリップ力が戻って走行できると判断したら、ゆっくりと発進しましょう。
それでもタイヤが空転してしまう場合は、「雪でスリップしてスタックした場合」で紹介した前進・後退を繰り返す方法で脱出をはかってください。
砂地でスタックした場合
砂地でスタックが発生した場合、アクセルを踏むと空転するタイヤが砂を掘って、だんだんとクルマが沈みこみ、最後には車の底が地面についてしまうため、脱出ができなくなります。
砂地においても、雪道と同じようにゆっくりと前進・後退を繰り返して脱出を図る方法や、タオルやフロアマットを敷いて空転を防ぐ方法が有効です。また、砂地を走行する際には、一度停止してしまうとスタックしてしまう恐れがあるため、なるべく完全停止しないように走行するのもポイントです。
側溝などに脱輪してスタックした場合
道路脇の側溝などに脱輪してスタックが発生した場合、無理に自力で脱出しようとせず、ロードサービスなどに救援を求めましょう。
脱出する方向にハンドルを切ってアクセルを踏むと、車が勢いよく動き出して道路に飛び出してしまい、さらなる被害を生む可能性もあります。通行人や同乗者に協力してもらい、車を後ろから押すなどの方法も危険が伴うため、無理をせずロードサービスに救援を求めましょう。
雪道でスタック・スリップしないための走行のコツと準備しておくべきもの
大雪の際には、スタックや他のトラブルも起きやすくなるため、なるべく車での外出を避けるのが基本です。しかし、どうしても車で移動しなければならない場合もあるでしょう。そうした際に、スタック・スリップしないための走行のポイントを紹介します。
急発進・急停止・急ハンドルをしない
雪道を走行する際には、急発進・急停止・急ハンドルをしないことが非常に重要です。雪道では、タイヤが路面をグリップする力が弱いため、運転手の操作がそのまま車に伝わるとは限らず、操作が急になるほど危険がともないます。
できる限りゆっくりとしたアクセルとブレーキ、ハンドル操作を心がけましょう。
上り坂ではなるべく完全停止しない
山道などの上り坂を走行する際は、車をなるべく完全停止しないように意識してください。それまで順調に走行できていても、一度完全停止すると、まったく進まなくなるケースがあります。一時停止などが必要な場合を除いて、できる限り完全停止はせず、徐行などで少しでも車が動く状態を維持しましょう。
ブラックアイスバーンに注意する
通常のアイスバーンは、日中なら運転席から目で見て確認できるため、避けながら運転が可能です。しかし、一見濡れたアスファルトのようで、実は路面が凍結している「ブラックアイスバーン」という現象には注意が必要です。
ブラックアイスバーンは油断しやすく、スリップの原因となります。雪道を走行する際は、普通のアスファルトのように見えても気を緩めず、急発進・急停止・急ハンドルをしないよう慎重な運転を心がけましょう。
雪道を走行する際に準備しておくもの
大雪の際は、トラブル防止のため不要不急の外出を控えることが一番の対策です。しかし、大雪の日に車を運転することが避けられないときは、以下の道具を車に積んで準備しておきましょう。
必須の道具 | できれば準備したい道具 |
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また、万一の場合を考え、ガソリンを満タンにしておくことも重要です。
高速道路や山間部などでは、一日以上立ち往生することもあります。大雪の際には、もしものときに自分の身を守れる準備をしてください。
まとめ
スタックが発生し立ち往生した場合、焦ってアクセルを強く踏み込んでしまうと状況が悪化することがあるため、まずは落ち着いて状況を的確に把握することが重要です。周囲の安全を確認したうえで車外に出て、車やタイヤの状態を確認し、自力でスタックから脱出できるのか判断しましょう。
スタックから脱出するには、車をゆっくりと前後に動かして周辺の雪を押し固める方法や、タイヤの下にタオルやフロアマットを敷く方法などがあります。
自力での脱出が難しいと思われる場合や、自分で判断がつかない場合は、無理な脱出を試みず、すぐにロードサービスに救援を求めてください。
- 本記事の内容は、スタック時の一般的な対応方法の解説です。実際にスタックが発生した場合には、周囲の状況を確認し、ロードサービスや道路管理者の指示に従って対応を行ってください。
記事監修者:鈴木 ケンイチ(すずき けんいち)
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員
大学卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。レース出場経験あり。
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