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車両保険は必要?役割や補償内容、メリットと注意点を解説

自動車保険の契約や見直しの際に悩むのが、「車両保険」をセットするか否かではないでしょうか。愛車の修理費用などを補償してくれる、万一のときに心強い補償ですが、セットすると保険料は上がります。本ページでは車両保険の基礎知識とともに、三井ダイレクト損保で自動車保険を契約している人の、車両保険に関するデータを紹介します。自分に車両保険が必要かどうかを迷ったときに、ヒントとして活用してください。

自分の車の修理代などを補償するのが「車両保険」の役割

「車両保険」は、自動車保険の基本補償のひとつで、お車が事故などで損害を被ったときに修理費などを補償してくれます。たとえば、交差点で側面から車に衝突されて、自分の車のドアがへこむなどの損害が発生したケースを想定してみましょう。このようなとき、車両保険をセットしていれば、修理費用が補償されます。車両保険の保険金を受け取れる主な例は以下のとおりです(補償範囲は契約した車両保険のタイプによって異なる)。大切な愛車の損害を、幅広く補償してくれることがわかります。

「車両保険」で補償される主な例

  1. 1.
    自動車同士の事故で車に損害が生じた
  2. 2.
    カーブを曲がり切れずガードレールに衝突して車に損害が生じた
  3. 3.
    洪水で車が水没して車に損害が生じた
  4. 4.
    いたずらに遭って車にキズを付けられてしまった
  5. 5.
    車庫入れ・駐車に失敗して車にキズを付けてしまった
  6. 6.
    車が盗難に遭った
  7. 7.
    あて逃げに遭って車に損害が生じた

車両保険の種類

「車両保険」には、補償範囲の広い「一般タイプ」と、補償範囲が限定された「限定タイプ」の2種類があります。詳しい補償内容や商品名は保険会社によって異なりますが、基本的に限定タイプの車両保険は一般タイプよりも保険料が安く、その分補償の範囲も狭くなっています。三井ダイレクト損保では車両保険をご契約されているお客さまのうち、71.9%の方に補償範囲の広い一般タイプをお選びいただいています。

一般タイプ

補償範囲の広い「一般タイプ」の「車両保険」では、ほとんどのケースで補償を受けることが可能です。三井ダイレクト損保の場合、以下のイラストにあるような原因によりご契約のお車が被った損害を補償します。

限定タイプ

一般タイプで補償される内容で一部対象外となるのが、「限定タイプ」の「車両保険」です。どのような補償内容が対象外となるかは、保険会社によって異なります。三井ダイレクト損保の場合、電柱やガードレールに衝突してしまった単独事故などによる損害は補償の対象外となります。

限定タイプは火災・爆発 台風・洪水・高潮 車同士の衝突・接触または追突 盗難 落書き・いたずら・ガラス破損 原付との衝突・接触 騒じょう等の暴力行為 物の飛来・落下 荷台からはみ出している積載物との衝突または接触 自動車によるあて逃げ ご契約のお車の所有者が所有する別の自動車との衝突・接触 動物との衝突・接触となります。一般タイプは、限定タイプに追加して、電柱、ガードレールに衝突等の単独事故 転落・転覆 自転車との衝突・接触 相手はあるが実際には接触しなかった事故が補償されます。

車両保険のメリット

「車両保険」をセットしておくと、事故などによって自動車が損害を被ってしまった際に補償を受けられます。自分に責任がある場合や、加害者に損害賠償を請求できない場合でも、補償を受けられる可能性があるのです。特に大きなメリットを得られるケースを3つご紹介します。

「車両保険」は自分の過失分も補償してくれる

まずは「車両保険は自分の過失分も補償の対象」であるという点です。

交差点で側面から車に衝突された例を見て「事故の相手方が自動車保険に入っていれば、相手方の『対物賠償保険』で、こちら側の損害が補償されるのでは?」と考えた人がいるかもしれません。確かに、事故の相手方が自動車保険をセットしていれば、相手方の対物賠償保険で損害を賠償してもらえる場合が多いでしょう。しかし、相手方の対物賠償保険だけでは、損害額のすべてを賄えないことがあるので注意が必要です。

事故の相手方から得られる補償は、相手方が法律上負担すべき賠償責任に応じた金額です。この金額は、相手方と自分との過失の割合によって相殺されるため、相手方に100%の過失がある場合以外は、自分の過失分に応じた自己負担が生じます。たとえば、自分の車に100万円の損害が発生した事故で、過失割合が「自分60:相手方40」だったとしましょう。この場合、相手方の対物賠償保険で補償される金額は40万円です。実際の損害額に満たないことになります。

このように、相手方からの補償では自分の車の損害が十分に補償されないときに役に立つのが車両保険です。車両保険の保険金は自分の過失分に対しても支払われるため、過失相殺による減額分をカバーすることができます。なお、契約時に設定した保険金額(保険金の支払い上限)が60万円以上であれば、車両保険を使うことで、損害額のすべてをカバーすることが可能です。

「自損事故」「自然災害」などによる損害も補償してくれる

「車両保険」をセットするもうひとつの大きなメリットは、「自損事故」「自然災害」「盗難」「あて逃げ」によって発生した損害も補償してくれるということです。

例として、カーブを曲がり切れずガードレールに衝突し、自動車に損害が発生してしまった単独事故のケースを考えてみましょう。この場合、事故の相手方が存在しないため、相手方の「対物賠償保険」から補償を受けることはできません。自動車に発生した損害はすべて自己負担となってしまいます。駐車や車庫入れに失敗して、愛車にキズを付けてしまったときなども同様です。こういった場合も、車両保険をセットしていればそれらの損害が補償されるのです。

そのほか、他者から損害賠償をしてもらえないケースとして、自然災害や盗難、あて逃げによる損害などが考えられます。たとえば、台風による大雨で車が水没してしまい、自動車が故障してしまった場合に、その修理費用を補償してくれる人は存在しません。このようなケースでも車両保険をセットしておくことで、保険金を受け取ることができます。

「落書き」や「いたずら」などの損害も補償してくれる

また「車両保険」をセットすると、「落書き」や「いたずら」によって発生した損害も補償してくれます。知らないうちに自動車のボディに傷を付けられたり、落書きをされてしまったりした場合、加害者を特定することは難しいでしょう。本来であれば修理代などを請求する相手が分からなければ賠償金を受け取ることはできませんが、車両保険をセットしておけば、保険金を受け取ることが可能です。

三井ダイレクト損保の場合、落書き・いたずら・ガラス破損による損害は「一般タイプ」「限定タイプ」どちらの車両保険でも補償されます。詳しくはこちら新規ウィンドウで開くをご確認ください。

車両保険をセットする際の注意点

ここまで解説してきたように、万一、愛車が損害を受けたときには非常に心強い「車両保険」なのですが、注意点も存在します。車両保険をセットする際はメリットと併せて確認し、総合的に自分に合っているプランを選びましょう。

車両保険をセットすると自動車保険の保険料が上がってしまう

1つ目の注意点は、「車両保険」をセットすると自動車保険の保険料が上がってしまう点です。自動車保険は補償と保険料のバランスをとることが重要です。どれだけ補償が充実していたとしても、保険料の負担が大きく家計を圧迫してしまうようであれば、車両保険をセットするか否かの判断が必要となる場合もあるでしょう。

車両保険で補償される金額には上限がある

2つ目の注意点は、「車両保険」で補償される金額には上限がある点です。契約時に設定した車両保険の保険金額(保険金の支払い上限)を上回る補償は受けられません。そのため場合によっては、被った損害の全額をカバーできず、自己負担が必要となる可能性があります。

車両保険の保険金額は、自動車の時価相当額をベースに大枠が決められます。そしてその中から、契約者が自分に合った金額を決定する仕組みです。車両保険の保険金額を高く設定すると、その分保険料も上がるので、必要な補償を見極めましょう。

免責金額の設定パターンによって自己負担が変わる

「車両保険」の免責金額には定額・増額方式があり、いずれのパターンから選択して設定することが可能です。免責金額とは、自動車の修理代における自己負担額のことです。免責金額を大きく設定すると保険料は安くなりますが、その分修理が必要となった際に、一定の自己負担が必須となります。設定する場合は、万一、事故にあった際に自身が負担できる金額となるよう、慎重に検討しましょう。

車両保険をセットした方が良いケース

「車両保険」をセットした方が良いケースはいくつかあります。おすすめのよくあるケースをご紹介します。

新車または高級車を購入した場合

新車や高級車を購入した場合は、「車両保険」をセットするのがおすすめです。自動車を新車で購入すると100万円以上の出費になる事が多いのではないでしょうか。高級車や大型車を購入した場合は、数百万円に及ぶこともあります。突然の事故に対して余裕をもって修理費用や再購入費用を準備できる人は多くはないでしょう。そんなときに車両保険から支払われる保険金は大きな助けとなってくれます。

ローンが残っている場合

ローンが残っている場合も、「車両保険」をセットした方がいいでしょう。事故などによって車を買い替えても、以前の車のローンの支払い義務は残ります。車両保険をセットしていれば、保険金をローンの返済に充てることが可能です。

車の使用頻度が高い場合

車の使用頻度が高い場合も、「車両保険」のセットを検討した方がいいでしょう。毎日使っていた車がなくなってしまうと、とても不便な生活を強いられることになります。費用面を気にせず、すぐに車の修理や買い替えができるよう、車両保険をセットしておくと安心です。

車両保険の加入率は?

日本全国の自動車保険(任意保険)の車両保険加入率

用途・車種 加入率
自家用普通乗用車 63.2%
自家用小型乗用車 52.6%
軽四輪乗用車 48.8%

みんなはどうしてる?「車両保険」をセットされる率(車両保険加入率)と判断基準

車両保険を自動車保険にかしこくセットするには、補償と保険料のバランスを取ることが重要です。どれだけ補償が充実していたとしても、自分にとって保険料の負担が重すぎるのであれば、セットするか否か判断が必要となる場合もあるでしょう。
それでは、車両保険をセットすべきか否かをどのように判断すればいいのでしょうか。参考データとして、三井ダイレクト損保における車両保険をセットされる率(車両保険加入率)を見てみましょう。

車両保険をセットされる率(車両保険加入率)

セット:55% 非セット:45%

三井ダイレクト損保においては、車両保険のセット率が55%となりました。半数以上の人が、万一のときに愛車が受ける損害に対して、しっかりと備えておくことが重要であると判断していることがわかります。以下に車両保険のセットを検討する際の主なポイントを列挙したので、自分のカーライフと照らし合わせて、セットするか否かの判断の参考にしてください。

修理費・再購入費用の準備

事故によって車に損害が発生した際の修理費用や新たに自動車を購入するための費用を、貯蓄などで余裕を持って準備できる場合は、車両保険のメリットは少なくなります。一方、修理費用や再購入費用をすぐに用意できない場合は、車両保険のメリットが大きくなると考えるのが一般的です。

運転者の運転技術

車を運転する人の運転技術が未熟な場合、自損事故や駐車・車庫入れのミスによって、自動車が損害を被るリスクは高くなると考えられます。単独事故・自損事故などへの不安が大きい場合は、車両保険をセットするメリットも大きいといえるかもしれません。このとき、自分だけでなく、他の運転者の運転技術も念頭に置いて判断することが大切です。

自然災害への備え

車を運転する地域にどれだけの自然災害リスクが存在するかも検討しましょう。たとえば、自動車を運転・駐車する場所が河川のそばである場合、洪水による水没の危険性を考えておいたほうがいいかもしれません。また、積雪地域であれば、落雪による損害も補償範囲となる、車両保険の有用性は高まると考えられます。

盗難・いたずらへの備え

屋外の駐車場に車を駐車することが多い場合、必然的に盗難やいたずらによって損害を受ける可能性は高まります。つまり、車両保険をセットするメリットが大きくなるということです。また、「プリウス」「アクア」「ハイエース」といった人気の車種は盗難被害に遭う確率が高いといわれています。駐車場所、愛車の車種によってもリスクを判断する必要があるでしょう。

そのほか、損害を受けたときにすぐに修理や再購入をする必要があるか否か、新車か中古車かといった点も判断基準になるでしょう。自分のカーライフにおいて必要な補償と保険料のバランスを考え、適切にセット・非セットを判断してください。

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よくあるご質問

Q.
車両保険の保険金額はいくらを設定すればよいですか?
Q.
車両の免責金額(自己負担額)の設定について教えてください。
Q.
車両保険の免責金額(自己負担額)について、設定できない条件はありますか。
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