【タイヤ交換で安全走行】目安の時期や値段、持ち込み料金、自分で交換する方法などを解説!

2021年7月更新

積まれたタイヤ

ノーマルタイヤ(夏用タイヤ)とスタッドレスタイヤの入れ替えやタイヤの寿命、ドレスアップなど、車に乗っているとタイヤ交換が必要になるシーンは少なくありません。

本記事では、安全に走行するためのタイヤ交換時期の目安やタイヤ交換の方法、交換にかかる費用について、初めてタイヤを交換する人でもわかりやすいように解説します。

タイヤ交換の時期の目安

タイヤ交換のタイミングは、大きく分けて3つあります。

  1. タイヤの寿命による交換
  2. 降雪に備えてスタッドレスタイヤへの交換
  3. ドレスアップや機能性のための交換

そのなかでもタイヤの寿命と、スタッドレスタイヤへの交換時期の目安を紹介します。

タイヤの寿命で交換する場合

タイヤは消耗品のため、走行時、特に発進時と停止時に摩耗し、次第にタイヤの溝が浅くなっていきます。
溝が浅くなるとタイヤのグリップ力やハンドリング性能、ブレーキ性能が低下します。また、溝が浅くなることで排水能力も低下し、雨の日にハイドロプレーニング現象(注)を起こしてスリップしやすくなります。

  • ハイドロプレーニング現象:濡れた路面や水溜まりなどを走行した際に、タイヤが水膜によって浮く現象。タイヤが道路と接地していないためハンドルが効かなくなり、大変危険。詳しくは下記のページを参照してください。

一般社団法人 日本自動車タイヤ協会(注)によると、残り溝が4mm以下になると湿潤路面におけるブレーキを踏んでから停止するまでの距離(制動距離)が急激に伸びます。また、複数のタイヤメーカーでも、残り溝4mmでのタイヤ交換を推奨しています。
そのため、ノーマルタイヤの場合は、残り溝約4mmを目安に交換することをおすすめします。

タイヤの寿命は、タイヤについている「スリップサイン」でチェックできます。
スリップサインは、タイヤの側面(サイドウォール)にある三角のマーク(△)の先端が向いている、地面に接する部分(トレッド面)を確認します。
溝の間で少しだけ隆起した部分が見えた場合は、スリップサインが現れている状態なので、タイヤが寿命に達していると判断できます。

スリップサインの露出したタイヤ

<スリップサインが露出しているタイヤ>

注意したい点は、スリップサインは“タイヤ交換時期の目安ではない”ということです。スリップサインが出ているタイヤは、ハンドリング性能やブレーキ性能が低下するため、装着した状態では走行できません。

スリップサインが出たまま走行した場合、車両の整備不良(制動装置等)として、違反点数2点、普通車は9,000円、大型車は12,000円の反則金が科せられます。

また、タイヤメーカーでは、溝が残っていても使用開始後5年以上経過しているタイヤはゴムの性能が低下するため、点検と交換をするように呼びかけています。未使用でも10年以上経過したタイヤは使用に適さないため、タイヤの交換時は、製造年と製造からの経過年数を必ず確認しましょう。

スタッドレスタイヤの交換の場合

雪道の走行に必須のスタッドレスタイヤに交換する時期は、地域と降雪の状況によって異なりますが、平年の初雪より1か月前が交換の目安です。北海道や東北、北陸では9月後半〜10月前半には交換を始めるとよいでしょう。

降雪がほとんどない地域は、11月中旬頃までの交換がおすすめです。雪が降らない地域でも、気温が低下した夜間は橋の上や海沿いの道で路面が凍結することがあります。必ずスタッドレスタイヤに交換しておきましょう。

初雪が近くなると、タイヤ販売店がタイヤ交換で混み合うため、できるだけ早い時期に予約をして交換するのがおすすめです。

タイヤ交換時期の目安については、タイヤメーカー各社のWebサイトでも今年のおすすめ時期が紹介されているので、事前にチェックしておくとよいでしょう。また、降雪情報を気象庁のホームページや天気予報などで確認しておくことも大切です。

スタッドレスタイヤからノーマルタイヤに戻す時期の目安は、降雪がない・少ない地域であれば3月中旬〜4月中旬頃、降雪の多い地域だと4月後半〜5月上旬頃が目安になります。降雪予報・予想を確認して根雪がなくなってから交換しましょう。

冬用タイヤ規制のある道をノーマルタイヤで運転すると、都道府県の交通規則に違反し、普通車は反則金6,000円が科せられます。

スタッドレスタイヤの寿命について

スタッドレスタイヤの寿命は、50%の摩耗を知らせる「プラットホーム」が出てきたときや、メーカー推奨の耐用年数(通常3年〜4年程度)を過ぎたとき、保管状態が悪く変形したとき、固くなってしまったときなど、複数あります。

プラットホームとは、スリップサインとは異なるスタッドレスタイヤのサインで、パターンのブロックとブロックの間にあるギザギザのついた目印です。

スタッドレスタイヤのプラットホーム

<スタッドレスタイヤのプラットホーム>

このプラットホームが見えたら、スタッドレスタイヤは寿命を迎えているため、装着した状態で冬用タイヤ規制のある道は走行できません。

寿命を超えたタイヤを装着して走行する危険性・リスク

車の走行時は、タイヤが地面をグリップすることで適切なハンドリングや加減速が可能になるため、タイヤの整備は安全に車を運転するために欠かせません。

タイヤ寿命に達して状態が悪化しているタイヤは、雨天のスリップ原因になるだけでなく、制動距離が伸びて事故につながる可能性も高くなります。

なお、タイヤの溝が1.6mm未満の状態で走行すると、道路交通法で定められた保安基準に違反します。高速道路の場合は、小型トラックで2.4mm未満、大型トラックやバスだと3.2mm未満で違反となるため注意が必要です。

安全運転のためにも、タイヤの寿命は定期的に確認し、余裕を持って交換を行いましょう。自分で判断がつかない場合は、ディーラーやタイヤ販売店などでタイヤの状態を診断してもらい、交換時期を聞くことをおすすめします。

タイヤ交換を行う4つの方法と費用の相場

タイヤ交換には4つの方法があります。それぞれメリット・デメリットがあり、費用の相場も異なります。

交換方法 費用(工賃は4本分) 特徴
タイヤ専門店
カー用品店
工賃:4,000円〜12,000円
+タイヤ代
タイヤの専門的な知識をもとにアドバイスが受けられるが、繁忙期は混み合う
ガソリンスタンド 工賃:4,000円〜20,000円
+タイヤ代
給油のタイミングでタイヤ交換も依頼できるが、選べるタイヤの種類が少ない
ディーラー 工賃:8,000円〜30,000円
+タイヤ代
純正パーツが多く、新車装着タイヤ相当の商品が購入できるが、タイヤ代・工賃ともに割高
DIY 工賃:0円
+工具代
+タイヤ代
長期的に費用を抑えられるが、作業が大変で手順を間違えると怪我や事故の危険もある
  • 上記は監修者の知見による料金相場です。料金はタイヤの種類や整備工場によってそれぞれ異なりますので、本体の価格や工賃は目安として参考にしてください。

タイヤ専門店・カー用品店

タイヤ専門店の場合、タイヤの購入や交換はもちろん、ホイールバランス調整、不要タイヤの引き取り、オフシーズンのタイヤ保管サービスなど、足回りのすべてを依頼できるのが強みです。ただし、タイヤメーカーの直営店やフランチャイズの場合は、置いているタイヤのメーカーが限定されてしまう点に注意しましょう。

カー用品店の場合は、複数のメーカーのタイヤを備えているため、異なるメーカーのタイヤに交換することが可能です。車の総合的なサービスを取り扱うため、足回りを含めて全体的なサービスが受けられます。
一方で、利便性が高い立地のカー用品店は、混雑しやすい可能性がありますので、あらかじめ予約をしておくことをおすすめします。

なお、タイヤ専門店やカー用品店でのタイヤ交換費用は、ディーラーより安く抑えられており、タイヤ4本分の工賃が4,000円〜12,000円程度です。

ガソリンスタンド

多くのガソリンスタンドでタイヤを販売しており、タイヤ交換も依頼できます。ガソリンスタンドは店舗数が多く、給油や洗車など日常的なメンテナンスとともにタイヤを交換できる手軽さがメリットです。

ただし、多くのガソリンスタンドは、タイヤ専門店やカー用品店と比較すると在庫数が少なく、販売しているタイヤの種類も限られます。そのため、車種によっては適合するタイヤが置かれていない場合もあります。

タイヤ交換の費用は、タイヤ専門店やカー用品店よりやや高く、タイヤ4本分で工賃4,000円〜20,000円程度です。

なお、利便性が高い立地の店舗が多いため、タイヤ交換の繁忙期は予約が取りにくく、待ち時間が長くなる可能性がありますので、ご注意ください。

ディーラー・販売店

車を購入したディーラーや販売店に依頼すれば、取り扱っている純正タイヤの購入や交換が可能です。馴染みのディーラーなら車種だけでなく車体の個性を把握しているため、総合的なメンテナンスを安心して任せられる点が大きなメリットといえます。

デメリットとしては、取り扱うタイヤの多くが新車装着タイヤと同等以上になるため、タイヤの価格が高めになる点が挙げられます。また、品ぞろえは販売している車種に適合するタイヤに限られます。取り扱う種類やメーカーも少ないため、選択肢はあまり多いとはいえません。

タイヤ交換の費用は、取り扱うタイヤが純正品であることに加え、タイヤ専門店やガソリンスタンドよりも工賃が高くなる傾向にあり、全体的に割高です。タイヤ4本分の工賃は8,000円〜30,000円程度です。

自分で行う(DIY)

タイヤと工具を準備すれば、タイヤ交換を自分で行うことも可能です。具体的な交換方法の手順や注意すべきポイントは、このあとご紹介します。

費用はタイヤ代のほか、工具をそろえるために数千円〜数万円かかりますが、一度そろえれば以降は自分で交換できるため、長期的にはコストパフォーマンスが高い方法といえます。

なお、タイヤ交換に必要な工具は車に付属していることも多く、そのまま使用できますが、安全かつ効率的に作業をするのであれば、品質の高い専用の工具を購入したほうがよいでしょう。

ただし、車の構造に詳しくない人や整備に慣れていない人の場合は、作業に危険がともなうためおすすめできません。また、タイヤ交換中の事故だけでなく、タイヤの装着手順に不足や誤りがあった場合は、走行中の重大な事故につながる恐れもあります。

厚生労働省の「令和2年路上故障車両の実態調査結果」(注)によると、路上で発生した自動車の故障のうち、一般道路では31.4%、高速道路では53.5%がタイヤの故障です。


一般道路における故障部位別発生件数の割合 タイヤ 31.4%、バッテリー 30.8%、オルタネータ 4.8%、冷却水 1.7%、トランスミッション(A/T) 1.2%、クラッチ 1.2%、スタータ 1.1%、潤滑油 0.9%、ファンベルト 0.7%、ラジエータファン 0.6%、その他 25.5%

タイヤ交換を自分で行う方法(DIY)

ホイールごとタイヤを交換する方法を解説します。
タイヤ交換の際は、工具を使用して車体を持ち上げるため、手順を間違えて安全確認を怠ると重大な事故につながります。必ず入念に安全確認をしながら作業を行ってください。

また、車両整備の知識や経験が少ない場合や、ホイールからタイヤを外して交換する場合、作業手順が難しいと感じた場合などは、安全のためにも自分で作業をするのを避け、タイヤ販売店やディーラーに依頼してください。

準備する工具

タイヤ交換に必要な工具
  • ジャッキ
  • レンチ(トルクレンチ)
  • 輪止め
  • 軍手
  • 空気圧計
  • 空気入れ

ジャッキやレンチは車の装備品として搭載されていることもありますが、スペアタイヤと換装するための緊急用で、長時間安全に作業するには適さないケースがあります。通常のタイヤ交換に使用する場合は、フロアジャッキ(注1)やトルクレンチ(注2)の購入がおすすめです。

  1. フロアジャッキ:油圧の力で車を持ち上げる工具。レバー操作で簡単に車体を持ち上げられる。
  2. トルクレンチ:ボルトやねじを適正なトルク(回転力)で締め付けるための工具。

ステップ1.ナットを緩める

タイヤのナットを緩める女性

タイヤ交換作業は、必ず平坦な場所で行ってください。傾斜地や砂利道の場合、作業中に車両が移動する、ジャッキが倒れるなどの思わぬ事故が発生する可能性があるため大変危険です。

AT(オートマチック)車であればギアをパーキングに、MT(マニュアル)車であればギアをニュートラルに入れ、サイドブレーキがかかっていることを確認してください。そのあと、ジャッキアップするタイヤの対角にあるタイヤに輪止めを設置します。

車が動かない状態にしたら、交換するタイヤのナットをすべて緩めます。ホイールカバーがついている場合は、ホイールカバーを外してからナットを緩めてください。

ナットを緩める際の注意点


  • ナットを完全に外しきってしまうと、ジャッキアップしている最中にタイヤが脱落し、ジャッキを倒してしまうなどの可能性があり大変危険なため、緩める程度に留めておきます。
  • ナットを緩めるのは、これから交換するタイヤ1輪のみにしてください。

ステップ2.ジャッキアップ

ジャッキアップの様子

ジャッキアップは必ずタイヤ1輪ずつ行います。バランスが崩れて危険なので、絶対に両輪や4輪など、複数のタイヤを同時にジャッキアップしないでください。

まず、タイヤの近くにあるジャッキアップポイントにジャッキを当て、ゆっくりと持ち上げます。高く持ち上げる必要はなく、タイヤが地面から2cm〜5cm程度離れる高さで問題ありません。

ジャッキアップ時の注意点として、必ずジャッキアップポイントにジャッキを当てることと、ジャッキアップした車体の下に絶対に入らないことを遵守してください。

ジャッキアップポイントとは、ジャッキアップに耐えるために車体が補強されている部分です。このポイント以外でジャッキアップを行うと、車体の重量を受けたフレームが歪み、車体に損傷を与えてしまいます。どこにジャッキアップポイントがあるかは車種によって異なるため、マニュアルを参照してください。

なお、ジャッキアップした状態の車体を支えるためのジャッキスタンドという道具があれば、車体の安定性が上がり、より安全に作業が行えます。

ジャッキアップの際の注意点


  • ジャッキアップ中は、なんらかの原因でジャッキが外れて車体が落ちることがあります。人命に関わる事故につながる可能性があるため、絶対に車体の下に入らないでください。
  • ジャッキの使用方法は、取扱説明書でご確認ください。

ステップ3.タイヤを交換する

車からタイヤを取り外す女性

タイヤが2cm〜5cm程度浮いた状態でジャッキを固定し、緩めたナットを完全に外して、タイヤを取り外します。取り外したタイヤは、ジャッキが倒れた際に車体が地面にぶつからないよう、車体の下に寝かしておきます。

新しいタイヤをつけたら、ナットを2回〜3回に分けながら締め付けていきます。トルクレンチを使用している場合は、適正なトルクを設定し、力をかけすぎないよう気を付けましょう。

ナットを数回に分けて締め付けるのは、ナットにトルクが均等にかかるようにするためです。1つのナットを一度に最後まで締めてしまうと、まだ締め付けていない他のナットがしっかりと締まらず、走行中にタイヤが脱落する事故の原因となります。

ナットを締めるとき、4本の場合は上下左右(対角)の順に締め付けます。5本の場合は星型を描くような順に締め付けます。

タイヤのナットを占める順番

ステップ4.ジャッキを下げてナットを増し締めする

タイヤのナットを増し締めする様子

新しいタイヤを車体に装着できたら、古いタイヤを車体の下から出し、ジャッキを下げてゆっくりと車を地面に下ろします。

ジャッキアップポイントからジャッキを取り外し、ナットの増し締めを行います。
ただし、締めすぎるとボルトにヒビが入る、金属疲労で折れるなどの恐れがあります。走行中にボルトが折れるとタイヤの脱落事故につながるため、締めすぎには注意しましょう。適正なトルクで締めるためにも、脱着にはトルクレンチの使用がおすすめです。

この1〜4のステップをすべてのタイヤで行います。作業の慣れ具合にもよりますが、最初は1時間〜2時間程度の所要時間を想定しておくとよいでしょう。重量がある部品や工具が多く、力が必要な作業が多いため、複数人で行うほうが安全です。

最後に空気圧を確認し、適正な空気圧まで空気を充填します。

タイヤ持ち込みでタイヤ交換を依頼するときのポイント

タイヤをインターネットなどで購入したものの、自分でタイヤ交換ができない場合や、一人での作業が不安な場合は、タイヤ販売店やディーラーに持ち込みでタイヤ交換を依頼しましょう。その際、気を付けたいポイントがいくつかあります。

タイヤの購入時は適合を必ずチェック

自分でインターネットなどを通じてタイヤを購入し、タイヤ販売店やディーラーに持ち込んでタイヤ交換を依頼する場合、車とタイヤの適合を確認する必要があります。

同じ車種でもグレードや年式、オプションなどの条件が異なると、タイヤのサイズも異なります。ホイールサイズに適合するタイヤでなければ装着できません。

ホイールサイズについての詳細は、下記のページを参照してください。


持ち込み対応可能かチェック

店舗によっては、取り扱いのないタイヤの交換で装着後のトラブルを回避するために、持ち込みの交換を断っている場合もあります。必ず事前に持ち込みの対応をしているのかを確認しましょう。

持ち込み対応が可能でも、タイヤの状態や適合の問題から、新品タイヤのみ対応というケースも少なくありません。通販サイトで中古タイヤを購入したい場合は、事前に中古タイヤに対応している店舗を探しておくのがおすすめです。

なお、通販サイトによっては、タイヤの取り付けを行う店舗と提携している場合があります。購入したタイヤの送り先を、取り付けを行う店舗の住所に指定できるサイトもあるため、タイヤを自宅から運ばなくて良いのも便利でしょう。

工賃が高めになる店舗もある

店舗でタイヤを購入・交換する際の工賃と、持ち込みで交換する際の工賃を比較すると、持ち込みで交換するほうが割高になる店舗もあります。タイヤ販売での売上がないことや、持ち込まれたタイヤと車体の適合を確認する作業の工数が増えるためです。

工賃については店舗によって異なるため、事前に知りたい場合は問い合わせておきましょう。

【Q&A】タイヤ交換に関するよくある質問

タイヤ交換について、よくある質問を集めました。

Q.タイヤ交換はホイールも交換する必要がある?


A.必須ではありませんが、タイヤはホイールとセットで交換するのが一般的です。


ホイールからタイヤを外して新しいタイヤを組み込む場合、タイヤの脱着だけでなく、空気の充填やホイールバランスの調整などの作業工賃がタイヤ交換のたびに追加されます。そのため、タイヤのみの交換で初期費用は多少抑えられても、最終的にはホイールセットのほうがコストパフォーマンスは高くなることが多いです。

Q.プラットホームの見えたスタッドレスタイヤをノーマルタイヤとして装着することはできる?


A.プラットホームの見えたスタッドレスタイヤでも、残り溝が1.6mm以上あればノーマルタイヤとしての使用は可能です。


ただし、スタッドレスタイヤはノーマルタイヤよりゴムがやわらかく、摩耗が早い特徴があります。プラットホームは残り溝が5mmのところで露出するようになっており、制動距離が伸びる4mmまですぐに到達してしまいます。
また、スタッドレスタイヤは寒さに強い反面、熱には弱いため、夏の高温下ではさらにゴムが柔らかくなり、本来の性能を発揮することができません。
そのため、プラットホームの見えたスタッドレスタイヤをノーマルタイヤとして装着することはおすすめしません。

Q.タイヤの購入と交換で総額どれくらいかかる?


A.タイヤ交換の総額は「タイヤの購入代金+工賃」で決まります。


自分でタイヤ交換を行う場合の工賃は無料(工具代は別途必要)ですが、タイヤ専門店・カー用品店であれば工賃は4,000円〜12,000円程度、ガソリンスタンドであれば4,000円〜20,000円程度、ディーラーであれば8,000円〜30,000円程度が相場です。
この工賃に加え、タイヤ4本分の費用がかかります。

Q.初めて自分でタイヤ交換をしたあとに注意することは?


A.まず、適正な空気圧になっていることを確認してください。


空気圧が不足している場合は、車のタイヤ用の空気入れで充填します。このとき、タイヤから「プツプツ……」といった音が聞こえた場合、バーストする可能性があり大変危険なためすぐに車から離れてください。
空気圧を確認したら、安全な場所(周りに人や車がいない場所)へ移動し、確認乗車を行います。その場でハンドル操作・直進・バック・右折・左折・Uターンなどを行い、異音がないか、ナットに緩みがないかなどを確認しましょう。
また、タイヤ交換から1週間ほど乗車したあとに、ナットを増し締めして緩みがないかをチェックします。

Q.タイヤ交換にかかる時間はどれくらい?


A.ホイールごと交換する場合と、タイヤのみの交換の場合で以下のように異なります。


ホイールごと変える場合:自分で行うと1時間〜2時間程度、店舗に依頼すると30分〜1時間程度
組み換えの場合:自分で行うと1時間半〜3時間程度、店舗に依頼すると約1時間
基本的に、自分で行うよりも店舗でタイヤ交換のプロに依頼したほうが所要時間は短くなります。なお、タイヤのサイズが大きくなれば所要時間も増える傾向にあります。

Q.スタッドレスタイヤに交換したとき、タイヤの保管はどうすればいい?


A.自宅で保管するか、お店の保管サービスを利用しましょう。


自宅で保管する場合は、タイヤカバーやタイヤ保管袋に入れ、ホイールがある場合は横向き、ホイールがない場合は縦置きにします。可能であれば、タイヤを縦に保管するタイヤスタンド(タイヤラック)を用意すると、タイヤの変形や劣化をより避けられます。保管場所は暗く涼しい場所が適しています。
また、灯油などの油はゴムが変質するので、近づけないようにしてください。
店舗によるタイヤ保管サービスの費用は、利用する店舗やタイヤの大きさによって異なりますが、4本で年間1万円〜1万5,000円前後が多い価格帯です。

Q.タイヤローテーション(位置交換)は必要?


A.タイヤローテーションは必須ではありませんが、定期的にローテーションしておくことでタイヤの購入頻度を抑えられます。


タイヤの摩耗は、必ずしも均一ではありません。ホイールバランスやタイヤバランス、車体の癖、よく使う運転経路の右左折の回数などで摩耗に偏り(偏摩耗)が出ます。
偏摩耗が進むと、タイヤは通常よりも寿命が短くなってしまいますが、タイヤの装着位置を変更する「ローテーション」を行うことで、偏摩耗を防ぐことができます。

まとめ

タイヤの交換時期は常に早めを意識することが大切です。スリップサインやプラットホームが見える前に新しいタイヤと交換し、安全に走行できるように心がけてください。

タイヤの交換は、工具がそろった状態で手順がわかっていれば個人でも行えます。ただし、不慣れな場合は作業に時間がかかるだけでなく、ナットをしっかりと締められていない、空気圧が不足するなど、走行に不安を抱えてしまうことにもなりかねません。

安全にタイヤ交換をするのであれば、豊富な専門知識があり、タイヤ交換に必要な工具が整っているタイヤ販売店やカー用品店、ディーラーなどに依頼してください。

  • 本記事の内容は特段の記載がない限り、一般的なタイヤの解説です。車種やメーカーによって解説内容と異なる場合があります。ご自身の車で不明点やお気付きの点があった場合は、メーカーや整備工場にご確認ください。

猪飼 綾

記事監修者:猪飼 綾(いかい あや)

タイヤ業界の専門週刊紙『自動車タイヤ新聞』にて、取材を中心に記者として活動した経験あり。記名の特集記事や連載を紙面に複数掲載。タイヤに使用されている技術について特に掘り下げた取材・執筆をしてきた。その後、独立して現在はフリーライターとして活動中。


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