薄暮時の死亡事故の特徴と防止策

2018年12月掲載

警察庁交通局発表の「平成30年上半期における交通死亡事故の特徴等について」のなかで、平成25年から平成29年の5年間における薄暮時(注)の死亡事故が分析されています。そこで今回は、警察庁の分析からみえる薄暮時の死亡事故の特徴と、その防止策についてまとめてみました。

  • 薄暮時とは、日没時刻の前後1時間を言います。

薄暮時の死亡事故の特徴

月別では12月が最も多い(図1)

薄暮の時間帯における月別の死亡事故件数をみると、10月から12月にかけて多くなっていますが、最も多く発生しているのは12月で、最も少ない6月の約3倍となっています。

図1 薄暮時間帯における月別死亡事故件数(平成25年〜平成29年)

日没後1時間が多い(図2)

月別・時間帯別の時間当たり(1時間当たり)の死亡事故件数をみると、どの月も日没後1時間の時間帯が最も多くなっています。特に10月から12月は、他の時間帯の約3倍も多くなっています。

図2 月別・時間帯別の時間当たりの死亡事故件数(平成25年〜平成29年)

「自動車対歩行者」が半数を超える(図3)

薄暮時間帯における当事者別の時間当たりの死亡事故件数をみると、「自動車対歩行者」が681.5件で53%を占め、半数を超えています。薄暮の時間帯を除く昼間の「自動車対歩行者」は167.7件(警察庁データより)ですから、約4倍も多くなっています。

歩行者との事故は大半が横断中の事故(図4)

「自動車対歩行者」の死亡事故の大半は横断中に発生しています。また、横断歩道・横断歩道付近以外の場所を横断中の死亡事故が約6割を占めています。

図3 薄暮時間帯における当事者別の時間当たりの  死亡事故件数(平成25年〜平成29年)
図4 薄暮時間帯における「自動車対歩行者」の事故類型別死亡事故件数(平成25年〜平成29年)
  • データ:警察庁交通局「平成30年上半期における交通死亡事故の特徴等について」より

薄暮時の事故防止のポイント

早めのヘッドライト点灯を習慣づける

薄暮時間帯の死亡事故は日没前よりも日没後に多く発生していますが、これは日没後は急激に視界が悪くなり、車も歩行者や自転車も互いに相手の発見が遅れがちになることが大きな要因の一つと考えられます。特にヘッドライトを点灯していない車は相手から見落とされやすく、歩行者や自転車が車の接近に気づかずに横断してくる危険性が高まりますから、日没後ではなく日没前からヘッドライトを点灯する習慣をつけましょう。

ヘッドライトをこまめに切り替える

上向きのヘッドライトは、下向きのヘッドライトよりも2倍以上遠くから歩行者や自転車を発見することができます。交通量の多い市街地の道路や対向車や直前を走る車があるとき以外は、できるだけ上向きに切り替えて、早めの発見に努めましょう。

左右両側の歩道や路側帯に目を配る

薄暮時の死亡事故は「自動車対歩行者」が半数を超えており、その大半は横断中に発生しています。横断歩道に接近しているときはもちろんですが、そうでない場合でも、左右両側の歩道や路側帯によく目を配り、横断しそうな歩行者がいないかを、意識して「探しにいく」運転を心がけましょう。

横断歩道では歩行者優先を徹底する

横断歩道は歩行者優先であり、横断している歩行者や横断しようとする歩行者がある場合は、一時停止などにより歩行者の通行を妨げないこと、横断しようとする歩行者がいるかいないか明らかでないときは、横断歩道の手前で停止できる速度で進行することが、道路交通法第38条に定められています。薄暮時は視界が悪いため、横断しようとしている歩行者がいるかいないか明らかでない場合が少なくありませんから、そのようなときは減速して歩行者の有無をしっかり確認しながら進行しましょう。ただし、急な減速は後続車に追突されるおそれがありますから、徐々に減速するようにしましょう。

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