令和2年の交通死亡事故の主な特徴

2021年4月掲載 警察庁の発表によると、令和2年の交通事故による死者数は2,839人で、警察庁が保有する昭和23年以降の統計で最少となりました。そこで令和2年の交通死亡事故の主な特徴をまとめてみました。(資料は、警察庁「令和2年中の交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について」による) 東京大学先端科学技術研究センター 西成活裕教授 イメージ画像 西成活裕
2021年4月掲載 警察庁の発表によると、令和2年の交通事故による死者数は2,839人で、警察庁が保有する昭和23年以降の統計で最少となりました。そこで令和2年の交通死亡事故の主な特徴をまとめてみました。(資料は、警察庁「令和2年中の交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について」による) 東京大学先端科学技術研究センター 西成活裕教授 イメージ画像 西成活裕
令和2年の交通事故発生状況 発生件数(注1) 309,178件(前年比−72,059件 −18.9%)
死者数(注2) 2,839人(前年比 −376人 −11.7%)
負傷者数 369,476人(前年比−92,299人 −20.0%)
  1. 発生件数とは、人身事故件数をいい、物損事故は含まれません。
  2. 死者数とは、交通事故発生から24時間以内に死亡した人数をいいます。

交通事故死者の過半数は65歳以上の高齢者

年齢層別に死者数をみると、65歳以上の高齢者が1,596人で(図1)、全死者数に占める割合は56.2%と過半数を占めています。
また、65歳以上の高齢者の死者数を状態別にみると、歩行中が743人(46.6%)、自動車乗車中が457人(28.6%)、自転車乗用中が294人(18.4%)、二輪車乗車中が93人(5.9%)で(図2)、歩行中と自転車乗用中を合わせると6割を超えており、この傾向は前年とあまり変わっていません。
高齢歩行者や高齢者の乗った自転車を見かけたときは、スピードを落として、その動向に十分注意しましょう。

図1 年齢層別死者数(令和2年) 9歳以下 28人、10〜19歳 121人、20〜29歳 218人、30〜39歳 173人、40〜49歳 231人、50〜59歳 317人、60〜64歳 155人、65歳以上 1,596人(65〜74歳 524人、75歳以上 1,072人)
図2 65歳以上の状態別死者数(令和2年) 自動車乗車中 457人(28.6%)、二輪車乗車中 93人(5.9%)、自転車乗用中 294人(18.4%)、歩行中 743人(46.6%)、その他 9人(0.5%)

事故類型別死亡事故では、人対車両の「横断中」が全体の4分の1近くを占める

死亡事故を事故類型別にみると、車両相互が976件(35.1%)、人対車両が942件(33.8%)、車両単独が825件(29.6%)となっています(図3)。前年に比べると、車両単独(前年26.0%)の比率が高くなっています。
事故類型の内容をみると、最も多いのは人対車両の「横断中」651件(23.5%)で全体の4分の1近くを占め、次いで車両単独の「工作物衝突」464件(16.7%)となっています。「横断中」の歩行者の多くは高齢者と考えられます。道路脇に高齢者を見かけたら、横断してくるかもしれないと考えて、スピードを落とす、ブレーキの上に足を乗せるなど、危険を回避する態勢をとっておきましょう。

図3 事故類型別死亡事故件数(令和2年) 合計 2,784件 人対車両(942件 うち横断中 651件、その他 291件)、車両相互(976件 うち正面衝突 218件、追突 131件、出会い頭衝突 346件、右折時衝突 135件、その他 146件)、車両単独(825件 うち工作物衝突 464件、その他 361件)、列車 41件

道路形状別では、交差点内とその付近が死亡事故のほぼ半数を占める

死亡事故件数を道路形状別にみると、交差点内が942件(33.8%)、交差点付近が345件(12.4%)を占め、交差点内と交差点付近を合わせると46.2%と全体のほぼ半数を占めています。交差点内について信号機の有無別でみると、信号機無が信号機有よりも多くなっており、この傾向は前年とあまり変わっていません(図4)。
交差点とその付近は、事故が発生しやすい場所です。交通状況に十分目を配り、起こり得る危険を予測した運転を心がけましょう。

図4 道路形状別死亡事故件数(令和2年) 合計 2,784件 交差点内(942件 うち信号機有 435件、信号機無 507件)、交差点付近(345件)、カーブ・屈折(420件)、一般単路(889件)、トンネル(26件)、橋(41件)、踏切(42件)、その他場所(79件)

法令違反別では、「運転操作不適」や「安全不確認」が前年より比率が高くなっている

原付以上の運転者が第1当事者となった死亡事故を法令違反別にみると、「漫然運転」が366件(15.2%)で最も多く、次いで「運転操作不適」331件(13.7%)「安全不確認」300件(12.5%)となっており、前年に比べると、「運転操作不適」(前年12.3%)と「安全不確認」(前年11.5%)の比率がやや高くなっています(図5)。
漫然運転をしないことはもちろんですが、ハンドルやブレーキなどの運転操作にも十分注意するとともに、常に周囲の状況に目を配り、確実な安全確認を行うようにしましょう。

図5 原付以上運転者(第1当事者)の法令違反別死亡事故件数(令和2年) 合計 2,408件 うち過労運転(12件)、酒酔い運転(16件)、一時不停止(67件)、歩行者妨害等(192件)、交差点安全進行(113件)、優先通行妨害(69件)、最高速度(157件)、通行区分(99件)、信号無視(89件)、違反不明(74件)、その他違反(134件) 以下安全運転義務違反 運転操作不適(331件)、漫然運転(366件)、脇見運転(238件)、動静不注視(47件)、安全不確認(300件)、安全速度(60件)、その他(44件)

昼夜別の死者数では昼間のほうが夜間より多い

死者数を昼夜別にみると、昼間が1,512人(53.3%)、夜間は1,327人(46.7%)で、前年(昼間50.5%・夜間49.5%)に比べると、昼間の比率が高くなっています。
昼夜別・状態別でみると、昼間は自動車乗車中が567人(20.0%)で最も多いのに対して、夜間は歩行中が658人(23.2%)で最も多く、全死者数のほぼ4分の1近くを占めています(図6)。夜間走行時は、対向車と行き違うときや他車の直後、交通量の多い市街地の道路を走行するときを除いて、こまめにヘッドライトを切り替え、できるだけ上向きにして歩行者を早めに発見するよう努めましょう。

  • 「昼間」とは日の出から日没まで、「夜間」とは日没から日の出までをいいます。
図6 昼夜別の状態別死者数(令和2年) 死者数 昼間 1,512人(自動車乗車中 567人、二輪車乗車中 317人、自転車乗用中 279人、歩行中 344人、その他 5人) 夜間 1,327人(自動車乗車中 315人、二輪車乗車中 209人、自転車乗用中 140人、歩行中 658人、その他 5人)
西成活裕教授からひとこと 今回のデータから、特に事故に注意すべき場所は交差点であることが分かります。急いでいる時は我先に通過したくなりますが、急がば回れです。安全に譲り合った方が、時にはかえって早く通過できる事も研究で分かっています。 東京大学先端科学技術研究センター 西成活裕教授 イメージ画像 西成活裕
西成活裕教授からひとこと 今回のデータから、特に事故に注意すべき場所は交差点であることが分かります。急いでいる時は我先に通過したくなりますが、急がば回れです。安全に譲り合った方が、時にはかえって早く通過できる事も研究で分かっています。 東京大学先端科学技術研究センター 西成活裕教授 イメージ画像 西成活裕
  • イラストの二次利用はご遠慮願います

見積もりはまだという方も保険料目安チェック

はじめての方はこちら自動車保険ガイド

ページID:
C5.4.7.39