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自動車税・軽自動車税とは?「環境性能割」「グリーン化特例」も解説!

自動車を取得する際には、さまざまな費用がかかりますよね。ハイブリッド自動車や電気自動車など、自動車の選択肢が増えた今、自動車に課せられる税金を知ることは、賢く自動車を取得するコツにもつながります。
そこで本ページでは、自動車に関する税金にはどのような種類があるのか、また2019年10月の改正で自動車にかかる税金は何が変わったのかなどについて詳しくご紹介します。

目次

1.自動車にかかる税金には、どのような種類がある?

自動車を所有して走らせるためには、複数の税金を納める必要があります。たとえば、自動車の取得時にかかる「消費税」と「自動車取得税」、自動車を所有することで課せられる「自動車税(軽自動車税)」と「自動車重量税」が挙げられますが、中には2019年10月の改正によって廃止・変更が行われたものもあります。それぞれの税金について詳しく見ていきましょう。

「消費税」とは?

「消費税」は、物品やサービスの「消費」に対して課される税金です。自動車の本体価格に加えて、カーナビゲーションやアルミホイールなどのオプションにも課税されます。2019年10月より、消費税は8%から10%に引き上げられました。

「自動車取得税」とは?

「自動車取得税」は、自動車を取得した際にかかる税金です。消費税率引き上げが行われた2019年10月より、この「自動車取得税」は廃止されて、取得時には新しく「環境性能割」という税が導入されました。

「自動車税」「軽自動車税」とは?

「自動車税」とは、4月1日時点で、三輪以上の小型自動車、普通自動車を所有している方に対して、毎年課せられる税金です。税額は総排気量ごとに定められています。毎年5月ごろに各都道府県税務事務所から送付される「自動車税納税通知書」で、所有者自らが納税を行います。年度の途中で自動車を取得するときは、月割で税金を納めます。

「軽自動車税」とは、軽自動車を所有している方に対して、自動車税の代わりに課せられる税金です。各市町村税務事務所から送付される「軽自動車税納税通知書」で納税を行います。

「自動車重量税」とは?

「自動車重量税」は、主に自動車の重量ごとに課税される税金です。自家用乗用車の場合は車両の重さ0.5トンごとに4,100円/年、軽自動車の場合は車両の重さにかかわらず、3,300円/年の税額がかかります。

また、自動車重量税は車両の重さ以外にも、環境性能、「自家用乗用車」か「事業用自動車」かの区分、経過年数などによっても税額が異なります。たとえば、一定の環境性能を満たした自動車については、「エコカー減税」によって減税または免除、新車の新規登録から13年以上・18年以上経過した自動車については徐々に税額が上がる設定になっています。

自動車重量税は、自動車の新規登録時と、2年ごとの車検時に、車検証の有効期間分をまとめて納めます。つまり、新規登録時は初回車検までの3年分、その後は2年ごとに行われる車検のタイミングで次の車検までの2年分をまとめて納めることになります。

2.自動車にかかる税金、2019年10月から何が変わった?

2019年10月に消費税率が8%から10%へ引き上げられたタイミングと同時に、自動車を取得する際にかかる税金も改正されました。大きなポイントは、「自動車取得税の廃止&環境性能割の導入」と、「新車の『自動車税』が毎年減税されること」の2つです。

ポイント1:「自動車取得税」の廃止&「環境性能割」の導入

2019年10月からの改正により、「自動車取得税」が廃止され、代わりに新しく導入されたのが「環境性能割」です。自動車を取得した際に課税され、排出ガス性能及び燃費性能の優れた環境負荷の小さい自動車ほど税が軽減される仕組みとなっています。

「環境性能割」とは?

「環境性能割」は「自動車取得税」に代わって新しく導入された、自動車の取得時にかかる税です。税率は、自動車0~3%、軽自動車は0~2%課税で新車・中古車とも対象です。
「環境性能割」は自動車の燃費性能等に応じて税率が変わり、燃費が良い自動車ほど税が軽減される仕組みとなっています。たとえば、燃費性能が高い電気自動車は非課税(税率0%)となります。

さらに、2019年10月1日~2020年9月30日までの1年間は、自動車・軽自動車ともに税率が1%分軽減されます。たとえば、環境性能割が通常1%の自動車を2019年10月1日~2020年9月30日までの間に取得した場合、「環境性能割」は非課税(0%)となります。

<環境性能割の税率>

自動車(自家用乗用車)

対象車 通常の税率 臨時的軽減後の税率
(2019年10月1日から2020年9月30日までの間)
電気自動車等 非課税 非課税
★★★★かつ
2020年度燃費基準+20%達成車
★★★★かつ
2020年度燃費基準+10%達成車
1.0% 非課税
★★★★かつ
2020年度燃費基準達成車
2.0% 1.0%
上記以外の車 3.0% 2.0%

軽自動車(自家用乗用車)

対象車 通常の税率 臨時的軽減後の税率
(2019年10月1日から2020年9月30日までの間)
電気自動車等 非課税 非課税
★★★★かつ
2020年度燃費基準+10%達成車
★★★★かつ
2020年度燃費基準達成車
1.0% 非課税
上記以外の車 2.0% 1.0%
  • ここがポイント!
  • 「自動車取得税」が廃止された。
  • 代わりに、燃費が良い自動車ほど税が軽減される「環境性能割」が導入された。
  • さらに、2019年10月1日~2020年9月30日までの間に自動車(または軽自動車)を取得する場合、「環境性能割」は臨時的軽減として、通常の税率から1%分軽減される。

ポイント2:新車の「自動車税」が毎年減税

2019年10月1日以降に取得する新車登録車は「自動車税」が毎年減税されます。自動車税は、前述したように総排気量ごとに税額が定められていますが、今回の改正により引き下げられる税額は、総排気量の小さな自動車ほど大きくなっています。

たとえば、総排気量が2,500ccよりも大きい場合、引き下げ額は1,000円ですが、総排気量1,500cc超・2,000cc以下の場合は引き下げ額が3,500円、総排気量1,000cc超・1,500cc以下の場合は引き下げ額4,000円、総排気量1,000cc以下の場合は引き下げ額が4,500円となっています。なお、軽自動車には同様の減税はありません。

総排気量毎の税額と引き下げ額一覧

総排気量 引き下げ前の税率 引き下げ後の税率 引き下げ額
1,000cc以下 ¥29,500 ¥25,000 ¥4,500
1,000cc超 1,500cc以下 ¥34,500 ¥30,500 ¥4,000
1,500cc超 2,000cc以下 ¥39,500 ¥36,000 ¥3,500
2,000cc超 2,500cc以下 ¥45,000 ¥43,500 ¥1,500
2,500cc超 3,000cc以下 ¥51,000 ¥50,000 ¥1,000
3,000cc超 3,500cc以下 ¥58,000 ¥57,000 ¥1,000
3,500cc超 4,000cc以下 ¥66,500 ¥65,500 ¥1,000
4,000cc超 4,500cc以下 ¥76,500 ¥75,500 ¥1,000
4,500cc超 6,000cc以下 ¥88,000 ¥87,000 ¥1,000
6,000cc超 ¥111,000 ¥110,000 ¥1,000

自動車税は毎年納める税金ですので、毎年減税が受けられる点は、長いスパンで考えると大きなポイントです。

  • ここがポイント!
  • 新車登録車は「自動車税」が毎年減税になる。
  • 総排気量の小さな自動車ほど減税額は大きく、排気量によっては年間最大4,500円、10%~15%程度の毎年減税となる。

2019年10月の税制改正により、自動車にかかる税金は具体的にどう変わる?

2019年10月の税制改正前と改正後では自動車にかかる税金はどのように変わったのか、モデルケースを使って減税額をシミュレーションしてみましょう。

  • 本ページのシミュレーション税額は一例です。実際の税額は自動車の環境性能、排気量等によって異なりますので、自動車を取得する際に販売店等でご確認ください。

「モデルケース」

  • 総排気量1,200ccの自家用乗用車を新車で取得
  • 8年間保有した場合

車両価格:196.5万円
総排気量:1,198cc
車両重量:1,110kg
カタログ燃費:24.0km/L
燃費達成度:2020年燃費基準+10%達成車

  • 自動車取得税/環境性能割額の算出にあたり、カタログ価格に0.9を掛けた金額を取得価額(オプション等は含まない)とする。
  • 自動車取得税及び自動車重量税の税額はエコカー減税適用後。エコカー減税適用終了後の自動車重量税額は本則税率が適用されるものと仮定。
  • 自動車税には、自動車税の恒久減税に加え、適用される場合のグリーン化特例による軽減額との合算。カーメーカーの諸元表を見ると、市街地モード・郊外モード・高速道路モードなども記載されています。
◆2019年9月末まで

消費税:157,200円
自動車取得税:39,700円

  • 取得価額 × 自動車取得税の税率2.25%
    • 2.25%=自動車取得税の税率(3%)× エコカー減税による軽減率(▲25%)

自動車税:276,000円

  • 総排気量による税額(34,500円)× 8年

自動車重量税:54,300円

  • 車両重量単位(3)× 自動車重量税の税率(2,500円)× エコカー減税による軽減率(▲25%)×3年(初回車検時)+ 車両重量単位(3)× 自動車重量税の税率(2,500円) ×5年

合計:527,200円

◆2019年10月~2020年9月末まで

消費税:196,500円
環境性能割:0円

  • 取得価額 × 臨時的軽減後の税率(非課税)

自動車税:244,000円

  • 総排気量による税額(30,500円)× 8年

自動車重量税:54,300円

  • 車両重量単位(3)× 自動車重量税の税率(2,500円)× エコカー減税による軽減率(▲25%)×3年(初回車検時)+ 車両重量単位(3)× 自動車重量税の税率(2,500円) ×5年

合計:494,800円

  支払い総額
2019年9月末まで 2019年10月
~2020年9月末まで
消費税 ¥157,200 ¥196,500
自動車取得税 ¥39,700 廃止
環境性能割 - ¥0
自動車重量税 ¥54,300 ¥54,300
自動車税 ¥276,000 ¥244,000
合計 ¥527,200 ¥494,800

減税のポイント

1.「自動車取得税」の廃止&「環境性能割」導入による軽減

2.25% → 非課税
39,700円軽減

2.「自動車税」の恒久減税

34,500円 → 30,500円(▲4,000円/年)
▲4,000円×8年 = 32,000円軽減

改正による減税総額は、
39,700円 + 32,000円 = 71,700円

  • 消費税率8%から10%への引き上げで増加した負担額
    196.5万円×10% - 196.5万円×8% = 39,300円
  • 消費税率引き上げによる負担額 - 改正による減税総額
    39,300円 - 71,700円 = ▲32,400円

よって、今回のモデルケースでは、改正後の税額はトータルで32,400円軽減する、という結果になりました。

  • ここがポイント!
  • 今回改正された新しい自動車の税制度を踏まえて自動車選びを行うことで、消費税の増税による負担の軽減だけでなく、総合的に自動車の税金を抑えることが可能になる。

3.「エコカー減税」「グリーン化特例」の延長

今回の改正では、以前より実施されていた「エコカー減税」と「グリーン化特例」についても見直しと延長が決まりました。「エコカー減税」「グリーン化特例」は、燃費や排ガス性能の良い自動車に対して税金の負担を時限的に軽減する特例措置です。

「エコカー減税」とは?

「エコカー減税」とは、環境性能に優れた自動車に対して、「自動車取得税」と「自動車重量税」が軽減する特例措置のことです。改正にともない2019年9月末で「自動車取得税」は廃止され、エコカー減税の適用も終了しましたが、「自動車重量税」は2021年4月30日まで適用が延長されました。

自動車重量税(エコカー減税)2019年5月1日~2021年4月30日

自動車重量税(エコカー減税) 2019年5月1日~2021年4月30日
初回車検 2回目車検
電気自動車等 免税 免税
2020年度燃費基準+90%達成車 免税 免税
2020年度燃費基準+50%達成車 免税 -
2020年度燃費基準+40%達成車 免税
2020年度燃費基準+30%達成車 ▲50%
2020年度燃費基準+20%達成車
2020年度燃費基準+10%達成車 ▲25%
2020年度燃費基準達成車

「グリーン化特例」とは?

「グリーン化特例」は排気量に応じて課税される「自動車税」「軽自動車税」に対して適用される特例です。「グリーン化特例」は、適用期間中に新車の新規登録を行った場合、取得した翌年度の自動車税に適用されます。今回の改正に合わせて「グリーン化特例」は2021年3月31日まで適用期間が延長。2021年4月1日からは新基準が適用されます。

自動車税・軽自動車税

自動車税・軽自動車税(グリーン化特例) 2019年4月1日
~2021年3月31日
2021年4月1日
~2023年3月31日
自動車 軽自動車 自動車 軽自動車
電気自動車等 ▲75% ▲75% ▲75% ▲75%
2020年度燃費基準+50%達成車 ▲50% - -
2020年度燃費基準+40%達成車
2020年度燃費基準+30%達成車
2020年度燃費基準+20%達成車 ▲50% ▲25%
2020年度燃費基準+10%達成車

なお、「グリーン化特例」は税金の軽減だけでなく、逆に税金が増えることもあります。排出ガス性能、燃費性能に優れた自動車に対しては自動車税が減税されますが、新車の新規登録等から一定年数を経過した自動車に対しては自動車税の税負担が重くなるケースがあります。たとえば、電気自動車、プラグインハイブリッド車などの自動車であれば自動車税はおおむね75%の軽減が受けられますが、ガソリン車やLGP車など13年を超える自動車などは税負担増の対象になります。

  • ここがポイント!
  • 自動車重量税」に対して適用される「エコカー減税」と、「自動車税(軽自動車税)」に対して適用される「グリーン化特例」が延長。

4.自動車は、税金なども考えながら賢く選ぼう!

自動車を取得する際には、上述の税金の他、強制保険である「自賠責保険」などの諸経費がかかります。さらに納車後も、ガソリン代、車検代、メンテナンス費用といったランニグコストもかかります。

長く、安心して自動車と付き合っていけるように、本体価格はもちろん、税金や維持費なども考えながら、自分のライフスタイルに見合う自動車を、長い目で見て、賢く選びましょう。

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