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トンネルを安全に走行するためのポイント

2019年7月掲載

山間部の道路には長いトンネルが少なくありませんが、トンネルは暗いうえに壁に閉ざされ圧迫感があるため、苦手意識を持つドライバーもいるようです。また、トンネル内はもちろん、入口や出口付近での事故は重大事故につながる危険性があります。そこで今回は、トンネルを安全に走行するための留意点を、接近時・進入時、トンネル内、出口付近に分けてまとめてみました。

トンネル接近時・進入時の注意点

トンネルの入口付近の交通状況を確認する

トンネルの入口付近は渋滞が発生していることがあります。前方にトンネルが見えてきたら、入口付近の交通状況をよく確認しましょう。万一、渋滞が発生している場合には、早目にハザードランプをつけて後続車に自車の減速・停止を伝えるとともに、ブレーキを軽く踏んで徐々に減速して停止するようにしましょう。

トンネル入口の信号機や情報板などを確認する

信号機や情報板が設置されているトンネルでは、必ずそれを確認し、赤信号や進入禁止が表示されているときには絶対にトンネルに進入してはいけません。また、トンネル内で工事が行われている場合には、情報板や標識、看板などに、その旨が表示されていますから、見落とさないようにしましょう。

トンネル進入時にヘッドライトを点灯する

暗いトンネル内は危険の発見が遅れやすくなります。そのため道路交通法施行令第19条において、トンネルの中を走行するときは、昼間でもヘッドライトを点灯しなければならないことが定められています。トンネルに進入するときは、必ずヘッドライトを点灯して視界の確保に努めましょう。

トンネル進入時は視力の低下に注意する

昼間にトンネルに入ると、暗さに目が慣れず、しばらく周囲がよく見えなくなることがあります。「交通の教則」においても、「高速でトンネルに入ると、視力が急激に低下するので、あらかじめ手前で速度を落としましょう」とあります。高速道路に限らず、トンネルに進入するときは、手前で速度を落とすとともに、前車の減速も予測して車間距離を長めにとりましょう。

トンネル内走行時の注意点

車線内の走行ポジションに注意する

トンネル内は壁が近接しているため、無意識のうちに壁から離れようとする心理が働きます。高速道路のように車両通行帯が2つあるトンネルの場合、走行車線側の車は右に、追越車線側の車は左に寄りがちで、並進している場合は車両同士の間隔が狭くなります(図1)。片側1車線の対面通行のトンネルでは、自車も対向車もセンターラインに寄りがちになります(図2)。そのため、特にカーブしているトンネルでは車線をはみ出すおそれがあります。ドアミラーも活用して車線内の走行ポジションがずれていないか確認するようにしましょう。また、隣接車線の車との並進はできるだけ避けましょう。

図1
図2

追越しや進路変更は避ける

車両通行帯がない片側1車線のトンネルでは追越しが禁止されていますが、車両通行帯があるトンネルでは追越しは禁止されていません。しかし、追越しは大きな危険を伴う行為ですから避けるようにしましょう。また、進路変更もハンドル操作ミスを招くおそれがありますから避けましょう。

トンネル出口付近の注意点

出口付近で前の車が見えなくなってもあわてない

昼間に暗いトンネルから出ると、明る過ぎて周囲がよく見えなくなることがあります。また、前を走る車が白っぽい色の場合、出口の明るさに溶け込んで消えたように見えたりします。そのようなとき、あわててブレーキを踏んだりするのは危険です。しばらくすれば回復して見えるようになりますから、落ち着いて運転しましょう。

トンネル出口の天候やその先の道路形状に注意する

山間部などの長いトンネルでは、入口と出口で天候が変わることがあります。入口では晴れていても出口では大雨というケースなどです。また、トンネルの出口は横風を受けやすい場所でもあります。さらに、出口の先の道路が急カーブになっていたり、急な下り坂になっていることもあります。トンネルの出口に近づくと、早く出たい心理から速度を上げる傾向がありますが、出口付近での加速は危険です。天候やその先の道路形状を見極め、状況に応じて速度を落とす、ハンドルをしっかり握るなどの慎重な運転を心がけましょう。

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