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死角による子どもの事故防止ポイント
2019年8月掲載
交通場面には、運転席からは見えないさまざまな死角がありますが、身体が小さく背丈も低い子どもは、特に死角に入りやすい存在です。そこで今回は、子どもが死角に入りやすい状況と死角に入った子どもとの事故を防止するためのポイントについてまとめてみました。
車の前後の死角に隠される
車の前後には死角がありますが、子どもはその死角にすっかり隠されて見えないことがあります。また、後方は前方より死角が大きく、特にワンボックスカーのように車高の高い車の場合は、運転席からは車の後方にいる子どもを確認することは難しくなります。バックする前に下車して車の周囲を一周し、付近に子どもがいないかどうかを確認するようにしましょう。バックモニターが付いている場合でも、左右にいる子どもは確認できず、急に車の後方に出てきた場合には対応できなくなります。モニターに頼らず下車して確認するようにしましょう。車に乗り込むときも同様です。
なお、幼児の場合、何が危険であるかがよく理解できていないため、予想もしない行動をとることがあります。その一つが、車の下への潜り込みです。車に乗り込むときには、万一を考えて、車の下もチェックするとよいでしょう。
車の側方のドアの下側に隠される
車のドアも背の低い子どもを隠すことがあります。下車するとき、ドアの窓から外を見ただけでは、窓の下側部分に隠れている子どもを見落としてしまうおそれがあります。そのまま不用意にドアを開けると子どもに当たってケガをさせる危険があります。子どもを先に降ろして下車するときや、幼稚園など子どもの多い場所で下車するときは、ドアミラーで側方を確認してからドアを開けるようにしましょう。
フロントピラーに隠される
フロントピラーも死角を作ります。フロントピラー自体の幅は広くはありませんが、車からの距離が離れると人を見えなくするほどの大きな死角になるため、身体の小さい子どもはフロントピラーの中にすっかり隠れてしまうことがあります。右折するときなどは、顔を少し動かしてフロントピラーの死角に子どもが隠れていないか確認しましょう。
植込みや看板などに隠される子ども
道路にはさまざまな工作物がありますが、それらが子どもを隠してしまうことがあります。例えば、駐車場と歩道の間に植込みがある場合、歩道を通行してくる子どもや子どもの乗った自転車が見えずに発見が遅れるおそれがあります(図1)。
交差点の角に立て看板や歩行者用信号の支柱、電柱、旗などが設置されている場合には、それらが子どもを見えにくくしてしまうことがあります。そのため、特に交差点の左折時には、子どもの発見が遅れて事故につながるおそれがあります(図2)。
植込みや立て看板などが死角を作っている場所では、一時停止や徐行をして必ず安全確認を行いましょう。
大人の陰に隠される子ども
大人が子どもを隠してしまうことがあります。例えば、単路で信号機のない横断歩道がある場所で大人の脇に子どもがいる場合、子どもがドライバーから見える側にいれば、その存在がわかりますが、大人の向こう側にいると見えないことがあります。その場合、大人は車の接近に気づいて立ち止まり車が通過するのを待っても、子どもは大人が死角になって車に気づかず、横断歩道を渡ってくる可能性があります(図3)。
横断歩道に接近したときに、横断しようとしている歩行者がいる場合は、車は横断歩道の手前で一時停止して歩行者の横断を妨げないようにすることが義務づけられています(道路交通法第38条第1項)。横断歩道での事故は、このルールを守ることで確実に防止できますから、必ず実践しましょう。
駐車車両に隠される子ども
商業施設の駐車場では親子連れが多く見かけられます。子どもは車高の低い乗用車でも隠されてしまいますから、駐車場内を走行するときは、駐車車両の間からの子どもの飛び出しに注意が必要です。特に、駐車車両の脇に大人がいて購入品などを車に積み込んでいるような場合は、その付近に子どもがいる可能性が十分にありますから、より一層の注意をしましょう。
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