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普通自動車免許とは?履歴書に書く正式名称や第一種・第二種の違い、免許の取り方などを解説
2021年12月更新
公道で自動車を運転するには、普通自動車免許を所持している必要があります。普通自動車免許を所持していれば、普通自動車のほかにも、原動機付自転車(原付)や小型特殊自動車も運転できます。
本記事では、普通自動車免許の概要や正式名称、運転できる自動車の一覧、取得方法などを解説します。
普通自動車免許とは
普通自動車免許とは、日本の道路(公道)で普通自動車などを運転することができる国家資格です。運転時に免許証を携帯することで、公道を普通自動車で走行しても良いという証明書になります。
日常会話の中で「免許」と呼ぶときは、多くの場合で普通自動車免許のことを指しています。
履歴書等に記載する正式名称
履歴書などに保有資格として普通自動車免許を記載する場合、正式名称で記載するのが一般的なマナーです。
「普通自動車第一種運転免許」もしくは「普通自動車第二種運転免許」と記載しましょう。保有する普通自動車免許がAT限定の場合は、「普通自動車第一種運転免許(AT限定)」もしくは「普通自動車第二種運転免許(AT限定)」と記載します。
なお、第一種と第二種のうち、多くの人が所持している普通自動車免許は第一種です。
第一種と第二種の違い
普通自動車免許には、第一種免許(普通自動車第一種運転免許)と第二種免許(普通自動車第二種運転免許)の2種類があります。
第一種免許は公道を自動車などで走行するために必要な運転免許で、第二種免許は公道を使い営利目的で旅客を運送するために必要となる運転免許です。具体的には、バス、タクシー、ハイヤー、運転代行など、自動車に旅客を乗せて対価を得る仕事をするには、第二種免許が必要です。
第二種免許を取得するには、第一種免許の取得期間(運転経歴)が通算3年以上ある必要があります。免許停止期間がある場合は、その期間を除いて取得期間を計算します。第一種免許の取得から通算3年以上経過し、普通自動車第二種運転免許の試験に合格すれば、第二種免許を取得できます。
普通自動車免許で運転できる自動車
平成19年と平成29年に新しい免許区分が追加されたこともあり、普通自動車免許で運転できる自動車は免許を取得した時期によって異なります。ここでは、普通自動車免許を取得した時期ごとに運転できる自動車を紹介します。
平成19年6月1日以前に取得した場合
平成19年6月1日までに普通自動車免許を取得した場合、運転できる自動車は以下のとおりです。
- 普通自動車
- 原動機付自転車
- 小型特殊自動車
- トラック(車両総重量8t未満、最大積載量5t未満)
平成19年6月1日以前に取得した普通自動車免許では、車両総重量8t未満、最大積載量5t未満までの自動車が運転できると規定されています。
平成19年6月1日までに取得した普通自動車免許は、運転免許証に「中型車は中型車(8t)に限る」と記載されており、「8t限定中型免許」や「旧普通免許」と呼ばれることもあります。
平成19年6月2日~平成29年3月11日に取得した場合
平成19年6月2日から平成29年3月11日の間に普通自動車免許を取得した場合、運転できる自動車は以下のとおりです。
- 普通自動車
- 原動機付自転車
- 小型特殊自動車
- トラック(車両総重量5t未満、最大積載量3t未満)
この期間に取得した普通自動車免許では、車両総重量5t未満、最大積載量 3t未満までの自動車が運転できると規定されています。3tトラックや4tトラックと呼ばれる自動車を運転するには、中型免許が必要です。
この期間に取得した普通自動車免許は、運転免許証に「凖中型車は凖中型車(5t)に限る」と記載されており、「準中型5t限定免許」と呼ばれることもあります。
平成29年3月12日以降に取得した場合
平成29年3月12日以降に普通自動車免許を取得した場合、運転できる自動車は以下のとおりです。
- 普通自動車
- 原動機付自転車
- 小型特殊自動車
- トラック(車両総重量3.5t未満、最大積載量2t未満)
平成29年3月12日以降に取得した普通自動車免許では、車両総重量3.5t未満、最大積載量2t未満までの自動車が運転できると規定されています。2tトラックを運転するには準中型免許、3tトラックや4tトラックを運転するには中型免許が必要です。
普通自動車免許の取り方
普通自動車免許を取得するには、2種類の方法があります。
一般的なのは、自動車教習所で教習を受けて卒業し、本試験を運転免許試験場で受験する方法です。このほか、自動車教習所に通わずに運転免許試験場で直接受験する、いわゆる「一発試験」という方法もあります。
自動車教習所に通う
普通自動車免許を取得する一般的な方法は、自動車教習所に通う方法です。
自動車教習所は大きく分けて2種類あります。「指定自動車教習所」と呼ばれる都道府県公安委員会が指定した教習所と、「届出自動車教習所」と呼ばれる都道府県公安委員会に届け出をした自動車教習所です。
指定自動車教習所を卒業した場合、運転免許試験場で受ける技能試験が免除されるため、本試験では技能試験が免除され、適性検査と学科試験に合格すれば免許を取得できます。
一方、届出自動車教習所の場合は技能試験が免除されず、卒業しても適性検査・学科試験・技能試験のすべてに合格する必要があります。そのため、一発試験での受験と同様の扱いということになります。
どちらの自動車教習所でも自動車の運転に必要な技術や知識を身につけることはできます。ただし、卒業後の本試験の扱いが異なるため、通おうとしている自動車教習所がどちらなのかは、しっかりと確認しておきましょう。
指定自動車教習所と届出自動車教習所のメリット・デメリットは、以下のとおりです。
教習所の種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
指定自動車教習所 |
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届出自動車教習所 |
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一発試験を受ける
普通自動車免許を取得するには、自動車教習所に通う方法が一般的です。しかし、自動車教習所に通わずに、運転免許試験場で適性検査・学科試験・技能試験のすべてに合格すれば、普通自動車免許を取得できます。これを「一発試験」といいます。
一発試験では、適性検査と仮免許試験に合格し、5日間(2時間×5日)の路上練習を受けたうえで本試験(適性検査・学科試験・技能試験)に合格し、取得時講習と応急救護処置講習を受けると普通自動車免許が取得できます。
普通自動車免許の取得には、自動車教習所に通うと早くても1か月ほど、合宿でも2週間ほどかかることが一般的ですが、一発試験なら最短7日で取得可能です。
ただし、慣れた運転コースで受験する自動車教習所の卒業検定よりも、一発試験の難度は高く、初心者の方が一度で合格するのは難しいでしょう。
普通自動車免許を取得するのにかかる費用
普通自動車免許を取得するのに必要な費用について、自動車教習所に通う場合と、一発試験を受ける場合に分けて解説します。
自動車教習所に通う場合
自動車教習所に通って普通自動車免許を取得する場合、自動車教習所ごとに設定された所定の料金と、運転免許試験場で所定の費用を支払います。
自動車教習所の料金は、AT限定であれば約28万円、MTであれば約30万円が一般的な相場です。短期間で集中的に講習を受ける合宿であれば、時期によっては約20万円まで抑えられる場合もあります。
運転免許試験場では、試験手数料1,750円と交付手数料2,050円、合計3,800円を支払います。
- 自動車教習所の費用の相場は、監修者の知見による料金相場です。料金は自動車教習所によって異なりますので、目安として参考にしてください。
一発試験を受ける場合
一発試験を受ける場合、仮免許試験と本試験に分けて以下の費用を支払います。
仮免許試験 | 本試験 |
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受験料と試験車使用料は受験のたびに支払う必要があり、仮免許試験と本試験に合格した際には交付手数料を支払います。また、本試験に合格したあとは、取得時講習を受けるため、普通車講習料11,200円と、応急救護処置講習料4,200円も別途かかります。
すべての仮免許試験と本試験を一度で合格した場合、26,300円で普通自動車免許を取得できます。
なお、路上講習では仮免許練習中の標識を自動車の前後に表示する必要があるため、ステッカー等の購入費用も別途必要です。
まとめ
普通自動車免許を保有していると、日本の公道で普通自動車などを運転できます。普通自動車免許には、公道を走行できる一般的な普通自動車第一種運転免許と、タクシーやハイヤーなど旅客を乗せて対価を得る仕事が可能となる普通自動車第二種運転免許の2種類があります。
普通自動車免許を取得する場合、自動車教習所を卒業して免許を取る方法が一般的です。運転免許試験場で一発試験を受ける方法もありますが、基本的には自動車教習所に通って取得することをおすすめします。
- 本記事の内容は特段の記載がない限り、一般的な普通自動車免許の取得方法などの解説です。自動車教習所や運転免許試験場などによって解説内容と異なる場合があります。
記事監修者:鈴木 ケンイチ(すずき けんいち)
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員
大学卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。レース出場経験あり。
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