法人向け自動車保険の徹底ガイド!加入するメリットや加入時の注意点、保険料相場や保険料を安くするためのポイントなどについて解説
2025年10月作成

この記事では、「法人向け自動車保険に加入する際に気を付けるべきことは?」「保険料はどれくらいかかるの?」といった疑問をお持ちの方に向けて、加入するメリットや加入時の注意点、保険料相場や保険料を安くするためのポイントなどについて紹介します。
法人向け自動車保険とは

法人向け自動車保険とは、法人が所有・使用する事業用車両が事故を起こした際に生じる損害を補償するための保険です。
また、車両の盗難、災害による損害などに備えることもできます。
法人向け自動車保険の基本的な補償内容について見てみましょう。
基本的な補償内容は損害保険会社によって異なるため、一例として三井ダイレクト損保の法人向け自動車保険について説明します。
基本補償 | 概要 |
---|---|
対人賠償保険 | 自動車事故で他人を死亡させたり、ケガをさせたりした場合に補償するもの。 |
対物賠償保険 | 自動車事故で他人の車やモノを壊してしまった場合に補償するもの。 |
人身傷害保険 | ご自身や同乗者、ご家族がご契約のお車に乗車中などの事故で死亡、またはケガをした場合に補償するもの。 |
車両保険 | ご契約のお車が事故などで損害を受けた場合に修理費などを補償するもの。 |
そのほか、セットできる特約などについては下記よりご確認ください。
法人向け自動車保険に加入するメリット

法人向け自動車保険に加入するメリットは主に2つあります。
順に見ていきましょう。
事業用車両の事故リスクに備えることができる
法人向け自動車保険に加入することにより、従業員が起こした交通事故による損害賠償責任や、事故に伴う事業用車両の修理費用など、想定外の金銭的な損失をカバーできるようになります。
法人向け自動車保険に加入することは、想定外の金銭的な損失を未然に防ぐことにつながり、収支の安定化を図ることができます。
不測の事態に備え資金を準備しておくこともリスクに備える方法のひとつですが、自動車保険の加入がもっとも効果的・合理的なリスクへの備えとなります。
事故後も業務を継続することができる
事故によって事業用車両が故障した場合、修理などに時間を要すことがあります。
その期間、お車がないと業務に支障が出てしまいますが、法人向け自動車保険の「レンタカー費用特約」をセットしていれば、契約している事業用車両が使用できない期間に借りたレンタカーの費用が補償されるため、金銭的な心配をすることなくレンタカーを借りることができ、業務を継続することができます。
税務・経理面のメリットがある
事業用車両にかかる自動車保険料は、会計上適切な形で経費処理をすれば、必要経費として計上することが認められています。
具体的には「損害保険料」などの勘定科目で「損金」として計上することができ、これによって課税所得が減少し、法人税などの負担を軽減することができます。
法人向け自動車保険の注意点

ここからは、法人向け自動車保険に加入する際の注意点を紹介します。
加入条件
法人向け自動車保険は、保険会社によって加入条件が異なるため、しっかりと内容を確認してから契約するようにしましょう。
たとえば、三井ダイレクト損保では、法人向け自動車保険に加入するために、以下の条件を定めています。
- 「記名被保険者(主に運転される方)」と「契約者」が同一の法人であること
- 総契約台数が9台以下のノンフリート契約(注1)であること
- 用途・車種(注2)が以下のお車であること(注3)

- ※ダンプ装置のあるものはお引き受けの対象外となります。ただし、用途・車種が自家用軽四輪貨物車および営業用軽四輪貨物車の場合を除きます。
- ※軽自動車、かつ、ラグビーワールドカップ、東京2020オリンビック・パラリンビック特別仕様ナンバープレートや地方版図柄入りナンバープレートの場合は、ナンバープレートの色は、白地または黄色の縁取りが施されます。
加入条件は保険会社ごとに異なるため、事前に要件を確認しておくことが大切です。
年齢条件
運転者に関する年齢条件の設定にも注意が必要です。
法人向け自動車保険の契約では、運転する可能性のあるすべての従業員のなかでもっとも若いドライバーの年齢に合わせて年齢条件を設定する必要があります。
正しく設定しなければ、万一事故が起きた際に補償対象外となる可能性があるため注意しましょう。
個人向け自動車保険との違い
同じ保険会社であっても、法人向け自動車保険と個人向け自動車保険では、補償範囲、特約などに違いがある場合があります。
たとえば、法人向け自動車保険ならではの特約の一例として、以下のようなものがあります。
- 対人賠償保険の補償範囲を拡大し、契約の事業用車両で業務中の従業員にケガをさせてしまった場合に保険金が支払われる特約
- 運送事業を営む方が、運送中の貨物を事故により損壊させ荷主に対して賠償責任を負った場合に保険金が支払われる特約
仮に、個人向け自動車保険と同じ特約であったとしても、補償範囲などが違う場合もあるため、よく確認するようにしましょう。
法人向け自動車保険の相場

法人向け自動車保険料は、車種や使用目的、運転者の年齢条件・補償内容、さらにはノンフリート等級(以下、「等級」とします)など、様々な要素によって決まります。
ここからは、三井ダイレクト損保を例に、車種別の保険料例を紹介します。
車種 | 保険料 |
---|---|
トヨタ プリウス | 76,010円/年 |
メルセデスベンツ | 77,580円/年 |
ダイハツ タント | 66,620円/年 |
トヨタ ハイエース | 45,630円/年 |
保険料例について詳しくはこちら
保険料例算出条件詳細
見積条件/トヨタ プリウスの場合
- 年間保険料(年払)
76,010円 - ノンフリート等級
6等級(S) - 運転者年齢条件
35歳以上補償
上記以外の見積もり条件詳細
- 保険期間
令和07(2025)年01月01日より
令和08(2026)年01月01日午後4時まで1年間 - 事故有係数適用期間
0年 - メーカー名
トヨタ - 車名
プリウス - 型式
ZVW30 - 初度登録年月(初度検査年月)
平成27(2015)年12月 - 登録番号の運輸支局
練馬 - 運輸支局の地域
関東・甲信越 - 年間走行距離(今後1年間)
3,001km~5,000km - 使用目的
主に業務使用 - 運転者の年齢条件
35歳以上補償 - 割引内容
インターネット契約割引 - 対人賠償保険
無制限 - 対物賠償保険
無制限 - 対物超過修理費用特約
あり - 搭乗者傷害危険補償特約(死亡・後遺障害)
なし - 搭乗者傷害危険補償特約(傷害一時金払)
なし
- 搭傷医療倍額支払特約
なし - 人身傷害保険 (タイプ)
車内のみ補償タイプ - 人身傷害保険 (保険金額)
3,000万円 - 無保険車傷害特約
なし(人身傷害保険には、無保険自動車との事故の補償が含まれます。) - 自損事故傷害特約
なし(人身傷害保険には、自損事故の補償が含まれます。) - 車両保険
なし - ドラレコ特約
なし - 弁護士費用補償特約
なし - レンタカー費用特約
なし - 被害者救済費用特約
あり - 保険料の支払方法
年払
見積条件/メルセデスベンツの場合
- 年間保険料(年払)
77,580円 - ノンフリート等級
20等級 - 運転者年齢条件
35歳以上補償
上記以外の見積もり条件詳細
- 保険期間
令和07(2025)年01月01日より
令和08(2026)年01月01日午後4時まで1年間 - 事故有係数適用期間
0年 - メーカー名
メルセデスベンツ - 車名
メルセデスベンツ - 型式
247012 - 初度登録年月(初度検査年月)
令和05(2023)年01月 - 登録番号の運輸支局
練馬 - 運輸支局の地域
関東・甲信越 - 年間走行距離(過去1年間)
3,001km~5,000km - 使用目的
主に業務使用 - 運転者の年齢条件
35歳以上補償 - 割引内容
インターネット契約割引
長期無事故割引
車両保険セット割引
新車割引 - 対人賠償保険
無制限 - 対物賠償保険
無制限 - 対物超過修理費用特約
あり - 搭乗者傷害危険補償特約(死亡・後遺障害)
なし - 搭乗者傷害危険補償特約(傷害一時金払)
なし
- 搭傷医療倍額支払特約
なし - 人身傷害保険 (タイプ)
車内のみ補償タイプ - 人身傷害保険 (保険金額)
無制限 - 無保険車傷害特約
なし(人身傷害保険には、無保険自動車との事故の補償が含まれます。) - 自損事故傷害特約
なし(人身傷害保険には、自損事故の補償が含まれます。) - 車両保険
あり - 車両保険(保険金額)
480万円 - 車両保険(タイプ)
限定タイプ - 車両保険(免責金額)
1回目 0円/2回目以降 10万円 - 車両保険無過失事故特約
あり - 新車特約
あり - 新車特約(保険金額)
480万円 - 身の回り品補償特約
あり - 身の回り品補償特約(保険金額)
10万円 - ドラレコ特約
なし - 弁護士費用補償特約
なし - レンタカー費用特約
なし - 被害者救済費用特約
あり - 保険料の支払方法
年払
見積条件/ダイハツ タントの場合
- 年間保険料(年払)
66,620円 - ノンフリート等級
6等級(S) - 運転者年齢条件
35歳以上補償
上記以外の見積もり条件詳細
- 保険期間
令和07(2025)年01月01日より
令和08(2026)年01月01日午後4時まで1年間 - 事故有係数適用期間
0年 - メーカー名
ダイハツ - 車名
タント - 型式
LA600S - 初度登録年月(初度検査年月)
平成26(2014)年01月 - 登録番号の運輸支局
練馬 - 運輸支局の地域
関東・甲信越 - 年間走行距離(今後1年間)
3,001km~5,000km - 使用目的
主に業務使用 - 運転者の年齢条件
35歳以上補償 - 割引内容
インターネット契約割引
車両保険セット割引 - 対人賠償保険
無制限 - 対物賠償保険
無制限 - 対物超過修理費用特約
あり - 搭乗者傷害危険補償特約(死亡・後遺障害)
なし - 搭乗者傷害危険補償特約(傷害一時金払)
なし
- 搭傷医療倍額支払特約
なし - 人身傷害保険 (タイプ)
車内のみ補償タイプ - 人身傷害保険 (保険金額)
3,000万円 - 無保険車傷害特約
なし(人身傷害保険には、無保険自動車との事故の補償が含まれます。) - 自損事故傷害特約
なし(人身傷害保険には、自損事故の補償が含まれます。) - 車両保険
あり - 車両保険(保険金額)
50万円 - 車両保険(タイプ)
限定タイプ - 車両保険(免責金額)
1回目 10万/2回目以降 10万円 - 車両全損時復旧費用補償特約
なし - 車両保険無過失事故特約
あり - 身の回り品補償特約
なし - ドラレコ特約
なし - 弁護士費用補償特約
なし - レンタカー費用特約
なし - 被害者救済費用特約
あり - 保険料の支払方法
年払
見積条件/トヨタ ハイエースの場合
- 年間保険料(年払)
45,630円 - ノンフリート等級
20等級 - 運転者年齢条件
35歳以上補償
上記以外の見積もり条件詳細
- 保険期間
令和07(2025)年01月01日より
令和08(2026)年01月01日午後4時まで1年間 - 事故有係数適用期間
0年 - メーカー名
トヨタ - 車名
ハイエース - 型式
TRH200V - 初度登録年月(初度検査年月)
令和05(2023)年01月 - 登録番号の運輸支局
練馬 - 運輸支局の地域
関東・甲信越 - 年間走行距離(過去1年間)
3,001km~5,000km - 使用目的
主に業務使用 - 運転者の年齢条件
35歳以上補償 - 割引内容
インターネット契約割引
長期無事故割引
車両保険セット割引 - 対人賠償保険
無制限 - 対物賠償保険
無制限 - 対物超過修理費用特約
あり - 搭乗者傷害危険補償特約(死亡・後遺障害)
なし - 搭乗者傷害危険補償特約(傷害一時金払)
なし
- 搭傷医療倍額支払特約
なし - 人身傷害保険 (タイプ)
車内のみ補償タイプ - 人身傷害保険 (保険金額)
3,000万円 - 無保険車傷害特約
なし(人身傷害保険には、無保険自動車との事故の補償が含まれます。) - 自損事故傷害特約
なし(人身傷害保険には、自損事故の補償が含まれます。) - 車両保険
あり - 車両保険(保険金額)
155万円 - 車両保険(タイプ)
限定タイプ - 車両保険(免責金額)
1回目 10万/2回目以降 10万円 - 車両保険無過失事故特約
あり - 新車特約
なし - 身の回り品補償特約
なし - ドラレコ特約
なし - 弁護士費用補償特約
なし - レンタカー費用特約
なし - 被害者救済費用特約
あり - 保険料の支払方法
年払
- ※記載の保険料例(補償内容)は2024年12月時点において、保険始期日を2025年1月1日として算出しています。今後保険料率改定で変更となる場合があります。
- ※実際の検討にあたっては三井ダイレクト損保のWebサイト等で重要事項説明書や約款のしおり(普通保険約款・特約)等を必ずご確認ください。
法人向け自動車保険が高額になる理由

法人向け自動車保険料は、個人向け自動車保険料と比較すると高額になる傾向があります。その主な理由は、事業用車両ならではの使用実態とリスクにあります。
続いては、特に保険料への影響が大きい2つの要因について説明します。
走行距離が長くなりやすいため
事業用車両は商品配送や取引先への訪問など、日常的に頻繁な運行が求められることによって、年間走行距離が長くなるケースが多いです。
走行距離が長くなれば、当然ながら交通事故に遭遇するリスクも高まるため、保険料も高くなります。
不特定多数の社員が運転するため
事業用車両は特定の運転者に限らず、複数の従業員が交代で運転することもあります。
自動車保険は運転する方の年齢を限定することで保険料を抑えることができます。
運転する方の年齢が高いほど保険料は安くなります。
事業用車両は複数の従業員が運転するケースもあり、運転する方を限定できずに保険料が高くなる傾向があります。
法人向け自動車保険料を安くするためのポイント

高額になりがちな法人向け自動車保険料ですが、工夫次第で保険料を抑えることは可能です。
続いては、法人向け自動車保険料を抑えるための、具体的なポイントを紹介します。
ネット型(通販型・ダイレクト型)に加入する
ネット型(通販型・ダイレクト型)自動車保険は、インターネットや電話で直接契約するタイプの保険です。
販売経費や人件費などの中間コストを抑えることができるため、同じ補償内容でも一般的に代理店型と比べて保険料が安くなる傾向があります。
法人契約も可能なネット型自動車保険を選べば、保険料を大幅に節約できる可能性があるため、複数社を比較検討してみるのがおすすめです。
運転者年齢条件や補償内容などを見直す
自動車保険料は、運転者の年齢条件や補償範囲などによって大きく変わります。
実際に運転する従業員の年齢を確認し、もっとも若いドライバーに合わせた年齢条件設定を適切に行うことで、無駄な保険料負担を避けることが可能です。
また、補償内容についても精査が必要です。
必要な補償を厳選することで保険料を抑えることができます。
安全運転に徹する
自動車保険料は、契約車両の等級や事故歴によって変動します。
事故がなければ契約更新ごとに等級が上がり、保険料は安くなるのが一般的です。
一方、事故を起こすと翌年度の等級が下がり、保険料が大幅に上がる可能性があります。
すべての従業員に対して安全運転の意識を徹底し、無事故・無違反を目指すことが、長期的に見てもっとも効果的な保険料節約策ではないでしょうか。
社内で安全運転講習を定期的に実施するのも有効です。
法人向け自動車保険に加入して、万一のリスクに備えよう

法人向け自動車保険は、法人が業務で使用する車両を対象とした自動車保険です。
対人賠償保険や対物賠償保険、車両保険などの基本的な補償は個人向け自動車保険と同様ですが、対象車種や補償範囲、特約などが違う場合もあるため、内容をよく確認するようにしましょう。
また、法人向け自動車保険料をできるだけ抑えたいという場合にはネット型(通販型・ダイレクト型)自動車保険を検討してみてください。
三井ダイレクト損保では、法人向けのネット型自動車保険を提供しています。
加入に関するご相談は法人契約専用のお客さまセンターにて承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
- ※三井ダイレクト損保の法人向け商品の詳細は、重要事項説明書や約款のしおり(普通保険約款・特約)等で必ずご確認ください。
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- ※法人を設立していない個人事業主の方は「個人のお客さま」に該当します。
よくあるご質問
- Q.
- なぜ、毎年保険料が変わるのですか?
- A.
主に、次のような要素で保険料を決めているため、保険料が変動します。
- 1.保険事故実績や物価水準などを反映した保険料率
- 2.記名被保険者の年齢
- 3.ご契約のお車の年間走行距離区分
- 4.始期日時点における記名被保険者の運転免許証の色
- 5.地域区分(ご契約のお車の登録地)
- 6.お車の型式の料率クラス
- 7.割引の適用その1:インターネット契約割引の割引金額が変わった
- 8.割引の適用その2:各種割引制度が適用外となった
- 9.ノンフリート等級
- Q.
- インターネットで手続きしたいのですが、利用できる払込方法を教えてください。
- A.
ご利用いただける払込方法は、「クレジットカード払」・「コンビニエンスストア・オンライン方式払」・「コンビニエンスストア・郵送方式払」の3種類です。
- ※「コンビニエンスストア・オンライン方式払」・「コンビニエンスストア・郵送方式払」については、払込金額が30万円以上の場合はご利用いただけません。
- Q.
- 「事故の種類」とは何ですか?
- Q.
- 自動車・バイクの契約内容はどうやって確認できますか?