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人身傷害保険とは?搭乗者傷害保険との違いや補償内容、メリット、注意点について解説

2025年1月作成

「人身傷害保険」と「搭乗者傷害保険」は、どちらも自動車事故で自分や同乗者が身体的な損害を受けた場合に保険金が支払われる補償です。

そのため、自動車保険を契約する際、「人身傷害保険に加入すべき?」「人身傷害保険と搭乗者傷害保険の違いは?」など、悩む方も多いのではないでしょうか。

この記事では、人身傷害保険とは何か、搭乗者傷害保険との違いやメリット、注意点についてわかりやすく解説します。

人身傷害保険とは

人身傷害保険とは、記名被保険者(主に運転される方)やその家族、保険契約をしている車の同乗者が自動車事故でケガ、または死亡した場合に、保険金が支払われる保険です。

自動車事故によって被った治療費や休業損害、逸失利益、精神的損害など(注)の実損害額を補償することで、万一の事故に対する経済的な負担を軽減します。

人身傷害保険の加入率

損害保険料率算出機構が公開している「2023年度(2022年度統計)自動車保険の概況新規ウィンドウで開く」によると、自家用普通乗用車における2023年3月末時点の人身傷害保険の加入率は81.7%です。

用途・車種 加入率
自家用普通乗用車 81.7%
自家用小型乗用車 77.0%
軽四輪乗用車 76.6%
軽四輪貨物車 51.7%
自家用小型貨物車 72.0%
二輪車 17.3%

三井ダイレクト損保では、ご契約者さまの91.8%が人身傷害保険をセットされています。

三井ダイレクト損保で「人身傷害保険」をセットしている方の割合

セット 91.8% 非セット 8.2%

また、人身傷害保険に加入されたご契約者さまのなかでは、保険金額を3,000万円までに設定している方が37.6%ともっとも多いという結果になっています。

三井ダイレクト損保の「人身傷害保険(車内・車外補償タイプ)」加入者の保険金額の設定状況

~3,000万円 37.6% 3,000万円~5,000万円 29.4% 5,000万円~7,000万円 10.6% 7,000~1億円 9.6% 1億円以上 5.9% 無制限 6.9%

人身傷害保険の種類・搭乗者傷害保険との違い

人身傷害保険には、一般的にご契約のお車に搭乗中の事故のみを補償するタイプと他人の車に搭乗中や歩行中などの自動車事故も補償できるタイプの2種類があり、三井ダイレクト損保ではそれぞれ「車内のみ補償タイプ」「車内・車外補償タイプ」として取り扱っています。

また、人身傷害保険に加えて、搭乗者傷害保険をセットするとより補償が手厚くなります。

ここからは、三井ダイレクト損保の補償プランをもとに、人身傷害保険の種類と補償内容、搭乗者傷害保険との違いを解説します。なお、三井ダイレクト損保では、一般的な「搭乗者傷害保険」を「搭乗者傷害特約」として取り扱っています。

三井ダイレクト損保の人身傷害保険・搭乗者傷害特約の補償範囲は以下のとおりです。

補償プラン ご契約のお車に搭乗中の事故(単独事故・単独事故以外) 他人のお車・バス・タクシーに搭乗中の事故 歩行中等の自動車事故
人身傷害保険(車内のみ補償タイプ) × ×
人身傷害保険(車内・車外補償タイプ)
搭乗者傷害特約 × ×

人身傷害保険(車内のみ補償タイプ)

人身傷害保険(車内のみ補償タイプ)は、ご契約のお車に搭乗中の方が自動車事故で死傷した場合に、その実損害額に合わせて保険金が支払われます。

以下は、人身傷害保険(車内のみ補償タイプ)の補償対象となる事故の例です。

ご契約のお車に搭乗中であれば、単独事故でも単独事故以外でも補償されます。
ただし、歩行中の事故や他人のお車に搭乗されている場合の事故は補償対象外です。

補償範囲が限定されるため、保険料を節約することができます。

人身傷害保険(車内・車外補償タイプ)

人身傷害保険(車内・車外補償タイプ)は、ご契約のお車に搭乗中の方が自動車事故で死傷した場合だけではなく、記名被保険者(主に運転される方)またはそのご家族が、他人のお車やバス・タクシー、歩行中などの自動車事故で死傷した場合にも、その実損害額に合わせて保険金が支払われます。

人身傷害保険(車内・車外補償タイプ)の場合、車内のみ補償タイプの補償対象となる事故に加えて、以下のような事故も補償対象です。

自動車事故による損害をより広くカバーできるため、ご安心いただけるでしょう。

搭乗者傷害保険との違い

搭乗者傷害保険とは、自動車事故で契約車に搭乗中の方が死傷した場合に、定額で保険金が支払われる保険です。

人身傷害保険は実損害額が補償されますが、搭乗者傷害保険は契約時に定めた一定額が補償されるという違いがあります。

たとえば、人身傷害保険は入院時の治療費などは退院するまで損害額が確定しないため、搭乗者傷害保険と比べて保険金を受け取るまでに時間がかかり、入院費や治療費をいったん実費で払うことになる場合があります。

人身傷害保険に加えて搭乗者傷害保険をセットしておけば、搭乗者傷害保険の保険金で当座の入院費用をカバーでき、治療が終わってから実損害額を全額受け取ることが可能です。

実損害額の補償に加えて当座の出費にも備えたい場合は、人身傷害保険と搭乗者傷害保険を両方セットすることをおすすめします。ただし、その分の保険料が上がる点に注意しましょう。

人身傷害保険と搭乗者傷害保険のどちらかだけをセットして保険料を節約する場合は、人身傷害保険への加入をおすすめします。

人身傷害保険のメリット

人身傷害保険には、さまざまなメリットがあります。
ここからは、人身傷害保険に加入するメリットについて解説します。

過失割合を問わず実際の損害額が補償される

自動車同士の事故は、自分に過失がないケースも存在します。
過失とは、運転者の確認不足や注意不足によって起きた過ちのことを言います。

自動車保険の場合、それぞれの過失割合によって保険金額が決まるため、被害者であっても過失があれば、保険金は減額されます。

一方で、人身傷害保険は過失割合に関係なく、実際に発生した損害額が全額補償されるという特徴があります。

自分の過失が大きい事故でも、治療費や入院費用などの経済的な負担が軽減されるため、より安心できるのがメリットです。

示談交渉を待たずに保険金を受け取れる

交通事故後の示談交渉は時間がかかるケースも多く、その間に経済的な負担を強いられることがあります。
しかし、人身傷害保険に加入していれば、示談交渉を待たずに保険金を受け取ることが可能です。

相手方からの損害賠償額の支払いを待つ必要はなく、必要な治療費や生活費をカバーできるため、事故後の不安やストレスを軽減できるでしょう。

重度後遺障害の場合は保険金の支払限度額が2倍になる

人身傷害保険では、自動車事故によって重度後遺障害が発生し、介護が必要となった場合に、通常の保険金の支払限度額が2倍となります。

重度後遺障害により生じる長期的な治療費や介護費用、生活費などをカバーする手厚い補償が提供されるため、事故後のお金の不安が軽減されるでしょう。

逸失利益や精神的損害も補償される

人身傷害保険では、治療費や入院費だけでなく、自動車事故によって身体に障害が残り、労働能力が減少した場合に将来発生すると考えられる収入の減少分(逸失利益)や、事故による心の痛みや苦しみ(精神的損害)についても補償範囲となります。

人身傷害保険をセットする際の注意点

続いては、人身傷害保険をセットする際の注意点について見ていきましょう。

補償が重複する場合がある

ご家族のお車を含め、2台以上の自動車を所有している場合、ご契約のお車以外のお車・バイクの保険も、人身傷害保険「車内・車外補償タイプ」でご契約されているときは、補償内容の重複が生じることがあります。

補償内容が重複していると、その分保険料が高くなってしまいます。

もし、現在加入している自動車保険と補償が重複している場合、一方の契約の人身傷害保険を「車内のみ補償タイプ」とすることで、補償の重複が解消され、保険料を節約できます。

補償されないケースもある

人身傷害保険は、すべての事故や損害が補償されるわけではありません。

たとえば、物件事故や自然災害による損害、飲酒運転や無免許運転など契約者に重大な過失がある事故については、補償の対象外となることがあります。

契約前に補償対象外のケースを確認し、補償内容が希望に合っているかを判断しましょう。

人身傷害保険・搭乗者傷害保険の保険金額の目安

人身傷害保険や搭乗者傷害保険の保険金額は、保険会社ごとに異なります。

三井ダイレクト損保の場合、保険金額は無制限、もしくは3,000万〜2億円までの間で、1,000万円単位で設定が可能です。

また、搭乗者傷害保険(搭乗者傷害特約)の死亡・後遺障害保険金額については、300万円・500万円・1,000万円・1,500万円・2,000万円の中から選択できます。

ただし、保険金額の設定額によって保険料が変わるため、記名被保険者(主に運転される方)の年齢や収入、家族構成などを考慮した上で、実際に生じる可能性のある損害額を目安にして適切な保険金額を設定しましょう。

人身傷害保険の保険金額の目安について詳しくはこちら

人身傷害保険を知って自分に合ったプランをセットしよう

人身傷害保険は、万一の自動車事故で死傷した場合に、治療費や休業損害、逸失利益、精神的損害などの実損害額が補償される保険です。
「車内のみ補償タイプ」と「車内・車外補償タイプ」の2種類があり、自分に合ったプランで加入できます。

また、人身傷害保険に搭乗者傷害保険を合わせてセットすると、事故後すぐに必要となる治療費や入院費用など、当座の経済的負担をカバーすることも可能です。

しかし、自動車保険は補償内容が手厚いほど保険料が高くなります。人身傷害保険のみをセットするか、人身傷害保険と搭乗者傷害保険の両方をセットするかは、補償内容と保険料のバランスを考慮しながら検討しましょう。

三井ダイレクト損保では、自動車保険加入時の不安や疑問、適切な補償プランの組み方を気軽に相談できるコンシェルジュデスクをご用意しております。
お電話だけではなく、チャットによるサポートもございますので、ぜひご活用ください。

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重要書類のご案内

自動車保険のパンフレット・重要事項説明書・約款のしおり(普通保険約款・特約)・ロードサービスご利用規約はこちらからご覧いただけます。

パンフレット・重要書類

よくあるご質問

Q.
特約や保険金額の設定以外で、三井ダイレクト損保の自動車保険の保険料が決まるポイントについて教えてください。
A.

主に以下のポイントがあります。

  • 使用目的
  • ドライバーの年齢
  • 年間走行距離(注)
  • ドライバーの範囲
  • ドライバーの運転免許証の色
  • 運転する地域
  • 車のタイプ
  • ノンフリート等級・事故有係数適用期間 
  • (注)三井ダイレクト損保の自動車保険では、他社からの切り替えや、ご継続手続きの場合、「過去1年間の走行距離」に応じて保険料が決まります。はじめて自動車保険にご加入される場合は保険始期日(保険が適用される最初の日)から「予想される今後1年間の走行距離」に応じて保険料が決まります。
Q.
保険金支払いの対象となる「家族」とはどこまでをいいますか?
A.

以下のいずれかに該当する方をいいます。

  • 記名被保険者の配偶者
  • 「記名被保険者またはその配偶者」の同居の親族
  • 「記名被保険者またはその配偶者」の別居の未婚の子(婚姻歴のある方は含みません)
Q.
傷害保険や傷害特約で補償の対象外となるのはどのような場合ですか?
A.

人身傷害保険、「搭乗者傷害危険補償特約(傷害一時金払)」「搭乗者傷害危険補償特約(死亡・後遺障害)」、自損事故傷害特約、無保険車傷害特約では主に以下のような場合が補償の対象外となります。

  • 被保険者の故意または重大な過失によってその本人について生じた傷害
  • 被保険者が酒気を帯びた状態、無免許、麻薬吸引等の状態で運転中にその本人について生じた傷害
  • 被保険者の脳疾患・疾病・心神喪失によって生じた損害または傷害
Q.
事故でケガをした場合、搭乗者傷害特約と人身傷害保険の両方から保険金がもらえますか?
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