住宅ローンについて学ぼう!〜ローン見直し編〜

いつかはマイホームを、と考えているなら、住宅ローンの知識をしっかり身につけておきましょう。今回は『ローン見直し編』について、お届けします。

1:超低金利&金利競争中の今が見直し時 2:借り換えで低金利または安心を得る 3:禁断のウルトラC「金利交渉」 4:借り換え、金利交渉では返済期間も検討 5:計画的な繰り上げ返済で60歳完済をめざそう

1:超低金利&金利競争中の今が見直し時

一度組んだ住宅ローンについてあれこれ考える機会は少ないと思いますが、ローンの中身を見直すと、利息負担が減ったり、この先起きるかも知れないリスクが避けられるなど、思わぬ効果が得られることがあります。たとえば、2,000万円以上のローン残高があり、2%以上の金利を払っている人。変動金利型を借りて金利上昇が心配な人。10年位前に住宅ローンを組んで当初は大幅な金利割引を受けられたものの、割引幅が0.4%程度などに縮小された人。これらに該当する人は、金利が低い今が、住宅ローンの見直し時です。住宅ローンは長い間、超低金利が続いているうえ、銀行間では激しい金利引き下げ合戦が行われています。とくに競争が激しいのが10年固定(10年間、金利が固定される固定期間選択型)で、金利割引を受ければ1.45%(注)で借りられる銀行もあります。10年間、超低金利が続き、その間に元金が確実に減っていく。お得である程度の安心感が得られる10年固定が有利に利用できる今、住宅ローンの見直しを考えてみましょう。(注)2011年12月末時点

こんな人は今すぐ見直しを!・2,000万円以上のローン残高があり、金利が2%以上の人 ・10年くらい前にローンを借りて、金利割引(金利優遇)幅が0.4%程度縮小された人 ・変動金利型で借りていて、金利上昇が不安な人

2:借り換えで低金利または安心を得る

住宅ローンの見直し方のひとつに、「借り換え」があります。今の借り入れ先とは別の銀行でローンを借り入れ、元のローンを完済するというものです。

金利が高いローンから金利の低いローンに借り換えれば返済額が抑えられます。どの程度、返済額が減るかは金利差や残りの返済期間によって異なり、金利差が大きいほど、残りの返済期間が長いほど大きな効果が期待できます。ただし当初の金利が低い変動金利型などに借り換えると、金利上昇によって返済額が増えるリスクを抱えることになりますから、お得感と安心感が得られる10年固定を候補にしましょう。変動型から10年固定に借り換える場合は逆に返済額が多くなるケースもありますが、金利が上がってからの借り換えではますます負担が大きくなり、借り換えが難しくなります(変動金利のリスクを抱えたまま)。その意味でも、金利が低い今が見直しのチャンスです。借り換えには手数料、登記費用、保証料などの諸費用がかかりますから、諸費用を考慮しても負担軽減の効果があるか、借り換え先として考えている銀行で試算してもらいましょう(10年固定では11年目以降の金利が決まっていないので、11年目以降は過去の平均的な金利・4%で試算を依頼)。ローン保証料がかからない銀行なら諸費用の負担が抑えられます。

3:禁断のウルトラC「金利交渉」

借り換え以外にも、金利負担を抑える方法があります。それは、「金利交渉」。借り入れ先の銀行に、金利を割引してもらえないかを交渉するのです。

たとえば3年固定を借りて、当初3年間は大幅な金利割引、4年目以降は割引幅縮小、という契約の場合、割引幅が小さくなるだけで実際に適用される金利は高くなります。そういった場合に、約束より割引幅を大きくしてもらえないか、交渉するのです。借りたときの約束を変更して、というお願いですから禁断のウルトラCといえますが、成功している人も少なくありません。交渉に応じてくれるか、どの程度割引してくれるかはケース・バイ・ケースですが、有利な条件が引き出せれば、借り換えのような諸費用を負担することなく、ローンの見直しができます。上手くいくための秘訣は、借り換えの検討と金利交渉を同時並行で行うこと。別の銀行に借り換えるとどの程度の効果があるかを試算してもらい、その結果を今の銀行に伝えます。今の銀行は借り換えでお客さんを失うのは避けたいですから、真剣に話を聞いてもらうことも可能となります。ただし過去に延滞などをしていると、金利交渉や借り換えが難しいケースもあります。

4:借り換え、金利交渉では返済期間も検討

借り換えの場合、新たに組むローンの最長返済期間は、元のローンの残りの返済期間と同じ年数まで。

たとえば35年返済で借りたローンを5年目に借り換えるなら、新しいローンは30年返済が可能です。返済期間は変わらないのですから、借り換えで金利が低くなればその分、返済額は軽減されます。でも、せっかくローンを見直すのですから、返済期間を短くすることも検討してみましょう。返済期間を短くすれば、金利の下げ+返済期間短縮というダブルの効果で利息の総額を抑えることができます。元の返済額でも十分返せるという場合は、その返済額をベースに返済期間を決めるのがオススメです。「返済がラクになってラッキー」というだけではではもったいないですよ。
老後のことを考えれば、住宅ローンはできれば60歳、遅くとも65歳までに完済するのが理想。無理は禁物ですが、60歳完済をめざして返済期間を考えましょう。

5:計画的な繰り上げ返済で60歳完済をめざそう

借り換えや金利交渉で返済期間を見直しても60歳では完済できないという人は、「繰り上げ返済」で完済時期を早める、という方法もあります。借り換えなどの必要がないという人にも使える、ローン見直しテクです。

繰り上げ返済とは、先々の返済分を前倒しで返済すること。繰り上げ返済した分はすべて元金の返済に充てられるため、そこにかかるはずだった利息がカットされます。繰り上げ返済には毎回の返済額を抑える「返済額軽減型」もありますが、返済期間が短縮され、利息軽減効果も大きいのは「返済期間短縮型」です。まずは借り入れ先の銀行に、60歳のときにローンがいくら残るかを確認(先々の金利が決まっていない場合は過去の平均的な金利・4%で試算を依頼)。その金額をもとに、いつ、いくら繰り上げ返済するかを考えてみましょう。無理して繰り上げ返済をし、いざという時のための貯蓄がない「繰り上げ返済ビンボー」にならないために、最低でも200万円は(教育費は別途)貯蓄をキープ。目標を立てて計画的に行うのが、上手な繰り上げ返済です。

ファイナンシャルプランナー 深田晶恵氏 プロフィール

深田晶恵(ふかた あきえ)|(株)生活設計塾クルー取締役 ファイナンシャルプランナー CFP認定者 1級FP技能士 外資系電機メーカー 日本フィリップス(株)で8年間勤務後、1996年にファイナンシャルプランナーに転身。FP資格取得後、実務経験を積んだ後、1998年にFPとして独り立ちする。その後、同じオフィスの仲間と特定の金融商品、保険商品の販売を行わない独立系FP会社「生活設計塾クルー」を立ち上げ、個人向けコンサルティングを行ういっぽう、セミナーやメディアを通じてマネー情報を発信している。「すぐに実行できるアドバイスを心がける」のがモットー。日経ビジネスアソシエ、日経WOMAN等でマネーコラムを連載中。

主な著書『住宅ローンはこうして借りなさい 改訂3版』(ダイヤモンド社)『30代が知っておきたい「お金」の習慣』(ダイヤモンド社)『「投資で失敗したくない」と思ったら、まず読む本』(ダイヤモンド社)

ブログ「お金のおけいこ」
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生活設計塾クルーのHP
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