「補償の重複」にご注意を!補償と保険料の無駄をしっかりと見直す

自動車保険、火災保険、医療保険などのように、世の中にはさまざまな保険が存在しています。複数の保険に加入することで「補償の重複」が起こり、保険料が無駄になっているケースがあります。本ページでは補償の重複の基礎知識と重複を避けるための方法について解説します。

「補償の重複」っていったいどういうこと?

「補償の重複」とは、「複数の損害保険を契約した結果、同じ損害に対しての補償が重なって存在している状態」のことです。

たとえば、夫婦と子供が一人いる家庭の場合で、夫が「自分を含めた家族全員がケガをしたときに、実際にかかった医療費について無制限で補償を受けられる『保険A』」に入っていたとします。一方で、妻は、「自分がケガをしたときに、実際にかかった医療費に対して最大100万円の補償を受けられる『保険B』」に加入したとしましょう。すると、妻がケガをしたときの補償が、「保険A」と「保険B」の両方に存在することになります。これが補償の重複です。

補償の重複の例

補償の重複には、「完全重複」と「不完全重複」があります。

補償の重複が問題になるのは、保険料負担の無駄が発生したり、自分が望んだ以上の補償内容の契約になってしまったりする場合があるからです。上の例は保険料負担の無駄が発生している典型的な例です。妻がケガをしたときの損害は、「保険A」にて無制限で補償しているので、「保険B」に加入する必要はありません。「保険B」に加入するための保険料が無駄になっているのです。このように、補償の重複が起きた結果、補償にまったくつながらない保険料負担が発生している場合を「完全重複」といいます。

一方で、補償の重複は発生しているものの、支払っている保険料が一概には無駄とはいえないケースもあります。上に挙げた例で、夫の入っている「保険A」の保険金額(保険金の支払限度額)が200万円だった場合を考えてみましょう。「保険A」「保険B」が、実際にかかった医療費の範囲内であれば、複数の保険から保険金を受け取れるタイプなら、妻がケガをした場合に最大300万円の補償を受けることができます。つまり、補償範囲は重なっているものの、支払っている保険料自体は補償につながっており、無駄にはなっていないということです。このような場合を「不完全重複」といいます。

完全重複、または不完全重複で自分が除く補償以上になっている場合は、「保険A」の補償範囲の見直し、もしくは「保険B」の解約などを検討した方がよいでしょう。

なお、損害保険会社などによって構成される一般社団法人 日本損害保険協会では、消費者保護を目的に、補償の重複の発生防止や解消を図るためのガイドラインを策定しています。各保険会社もこのガイドラインを参考に、Webサイトや重要事項説明書などで補償の重複に関する注意喚起を行っています。保険加入を検討する際はしっかりと確認するようにしてください。

「補償の重複」が起こりがちな自動車保険の補償・特約

それでは、どのような保険契約で「補償の重複」が発生しやすいのでしょうか。本来であれば、自動車保険、火災保険、医療保険などのさまざまな保険を横断的にチェックしなければならないのですが、ここでは自動車保険に絞って注意すべき補償・特約を紹介します。

最初に確認したい「人身傷害保険」

「人身傷害保険(保険会社によっては人身傷害補償保険などと呼ばれる)」の補償の対象者は「主に運転される方(記名被保険者)とその家族、契約車両に乗っている人」となっているのが一般的です。また、多くの保険会社で、「契約車両に搭乗中の事故のみを補償する」タイプと「契約車両に搭乗中の事故に加えて、他人の車やバス、タクシーなどに搭乗中の事故、歩行中などの自動車事故も補償する」タイプなど数種類が用意されています。三井ダイレクト損保では、前者を「搭乗中のみタイプ」、後者を「一般タイプ」と呼んでいます。

補償の重複に注意が必要なのは、自分もしくは家族で2台以上の自動車を持っていて、「一般タイプ」の人身傷害保険をセットする場合です。たとえば、夫と妻がそれぞれ自動車を持っていて、それぞれが主に運転される方(記名被保険者)として自動車保険を契約している場合を想定してみましょう。

このとき、両方の自動車保険に「一般タイプ」の人身傷害保険をセットしてしまうと、「他人の車やバス、タクシーなどに搭乗中の事故、歩行中などの自動車事故」の部分に補償の重複が発生します。人身傷害保険の補償の対象者は「主に運転される方(記名被保険者)とその家族、契約車両に乗っている人」なので、どちらかの車の人身傷害保険だけで、夫婦二人分をカバーできているからです。

人身傷害保険の「補償の重複」の例

「弁護士費用補償特約」「ファミリーバイク特約」にも注意

「人身傷害保険」以外に「補償の重複」に注意が必要なものとして、「ファミリーバイク特約」「弁護士費用補償特約」が挙げられます。三井ダイレクト損保の自動車保険で、ファミリーバイク特約の補償の対象となる人は「主に運転される方(記名被保険者)とその家族」です。弁護士費用補償特約の補償の対象となる人は「主に運転される方(記名被保険者)とその家族、契約車両に乗っている人、契約車両の所有者」です。

どちらにも、「主に運転される方(記名被保険者)とその家族」という言葉が入っていることがわかるでしょう。そのため、家族で複数の自動車を所有している場合、それぞれの自動車保険に「ファミリーバイク特約」や「弁護士費用補償特約」をセットしてしまうと、補償の重複が発生してしまうのです。

「補償の重複」を防ぐためにはどうすればいい?

家族がそれぞれに「人身傷害保険」の「一般タイプ」をセットして、「補償の重複」が起きているなら、そのうち1台の人身傷害保険だけを「一般タイプ」にして、他の自動車の人身傷害保険を「搭乗中のみ」タイプにすることで補償の重複を避けることができます。「ファミリーバイク特約」や「弁護士費用補償特約」での補償の重複も、セットする契約を家族内で1台のみに絞ることで補償の重複は避けられます。

  • 三井ダイレクト損保では、「人身傷害保険」「ファミリーバイク特約」は、契約内容によって「完全重複」になる場合と、「不完全重複」なる場合があります、「弁護士費用補償特約」は「不完全重複」となります。詳しくは、前述の各保険・特約の補償に関する解説をご参照ください。

保険料負担の無駄や、必要以上の補償内容での保険契約につながってしまう補償の重複。これを防ぐためには、自分や家族が加入しているそれぞれの保険の補償内容をしっかりと把握することが重要です。家族で複数の自動車を持っているなら、まずはすべての自動車の自動車保険について、補償内容を見直してみるといいでしょう。

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